- 虎ノ門大学院ブログ
- 2022年09月18日
【イベントレポート】 夏のMBAスクール8大学合同説明会&オンライン相談会を開催、約250名の方々にご参加いただきました。
2022年8月28日(日)に、「第12回 MBAスクール8大学合同説明会&オンライン相談会」を開催しました。好評につき毎年夏と冬の定番となっている本イベント、参加スクールの数も当初の4校から8校に増えています。今回の虎ノ門大学院ブログでは、イベント当日の様子をレポートしていきます。
■ 人気教授陣による約60分の模擬授業と学校説明 |
各校の人気教授による模擬授業および学校説明会をオンライン上で体験し、それぞれの特徴と魅力を自宅から1日で効率的に知り尽くすことができる内容です。KIT虎ノ門大学院からは、『ビジネス“スロー”思考~SDGs時代のイノベーションの起こし方~』と題して、野村恭彦教授による模擬授業を行いました。
専門実践訓練給付金の充実やリカレント教育に注目が集まる中、事前に350名近いお申し込みを頂き、イベント当日は約250名の方々にご参加いただきました。8月最後の日曜日、朝9時から夕方17時過ぎまでの長丁場にも関わらず、終始熱のこもったやり取りが展開され、どの時間帯も参加者の皆さんによる積極的な質問が印象的でした。その様子を簡単にご紹介します。
■ 名古屋商科大学ビジネススクール/北原康富 教授 『次世代のリーダーを育成する教育手法として、なぜケースメソッドが最適なのか?』 |
トップバッターは、東京?名古屋?大阪に各キャンパスを置く名古屋商科大学ビジネススクールです。「ベテランと若手が学び合う風土に変えられるか」というケースを題材に、北原康富教授がケースメソッドを体験する模擬授業を行いました。
DXの推進における若手とベテランの対立を描いたケースが参加者に配布され、両者の心理状態について、参加者が意見を出し合いながら分析していきます。その上でどのような状態であればこの対立は生じなかったかという問いに対して全体でディスカッションを行いました。
日曜日の朝早く、短い時間ではありましたが、北原教授のファシリテーションのもと活発な議論が行われ、同校の特徴の一つである「ケースメソッド」の良さを体感いただけたかと思います。
■ 法政大学ビジネススクール/豊田裕貴 教授 『データを活用したマーケティング思考~顧客満足度調査からマーケティングを考える~』 |
続いては、法政大学ビジネススクールの豊田裕貴教授。マーケティングやビジネスデータ分析を専門とされており、『これ一冊で完璧!Excelでデータ分析 即戦力講座』『知識ゼロからのビジネス統計学入門』など、ビジネスパーソン向けの書籍も多数執筆されています。
今回の模擬授業では、あるスーパーマーケットの顧客満足度(CS)データを題材に、データの取得から分析、そして戦略視点の導出までのプロセスについて講義を頂きました。短い時間でありながら、マーケティングにおけるデータ活用の可能性を感じ取れる時間でした。
その後の学校説明と質疑応答も豊田教授が引き続き担当。参加者の方からの他校との比較についての質問に対し「私たちの学校に来てほしいです。しかし、ぜひ比較してみてください。私はマーケティングの人間なので」と、誠実におっしゃっていたのが印象的でした。
■ SBI大学院大学/吉田宣也 教授 『グローバル経営戦略』 |
午前中最後のコマは、SBI大学院大学の吉田宣也教授による『グローバル経営戦略』の模擬授業でした。吉田教授は、トレンドマイクロ社の初代代表取締役や、ソフトバンク?インベストメント(現SBI)における1500社以上のベンチャー投資案件の選考?指導などを経験され、現在も第一線で経営支援に携わられながら、SBI大学院大学にて教鞭を執っておられます。
この日は、グローバルビジネス環境における日本企業の置かれている状況についてお話頂いた上で、成果をあげたある日本企業についての分析をご紹介いただきました。質疑応答も活発に行われ、限られた時間でしたが多くの参加者が関心を持っておられました。
実際の授業では、事例分析の前には企業のグローバリゼーションについての理論体系の学習を、事例分析の後には、これからのグローバルリーダー/グローバル企業に求められるものについての探究?考察を行うとのことです。
■ 中央大学ビジネススクール/松下光司 教授、生稲史彦 教授 『いま求められるビジネススクールでの学びー最先端の実務で経営の知を磨く』 |
約30分間のお昼休みを挟み、午後は中央大学ビジネススクール(CBS)から始まりました。この時間は模擬授業形式ではなく、松下光司教授(マーケティング分野)と生稲史彦教授(戦略分野)の2名の教員の対話形式で行われました。
「ビジネススクールでどのようなことが学べるのか?」「いまビジネススクールで、どのような学びが求められているのか?」が、この時間のテーマ。松下教授と生稲教授が、社会人大学院生と日々向き合う中で体験したエピソードを交えてお話いただきました。
CBSの3つの魅力(強いサポート?価値ある講義?強いコミュニティ)などをご紹介を頂きましたが、CBSに偏らず、ビジネススクールを選ぶ際の大切な基準を参加者に中立的に伝えてくださる内容が印象的でした。参加者からたくさん寄せられた質問にも飾らずに実情を答えてくださっていました。
■ 青山学院大学大学院/黒岩健一郎 教授 『MBA取得とキャリアアップ~修了生による体験談~』 |
続いては青山学院大学のABS(Aoyama Business School)です。このコマも模擬授業形式ではなく、人材サービスやマーケティング業界で働く2名の修了生が登壇。彼らの体験談を共有してくださりました。進行はマーケティングを専門にしておられる黒岩健一郎教授です。
「なぜMBAを取得したのか?」「なぜABSにしたのか?」「どんな学びがあったのか?」「仕事との両立は?」「修了後どう役に立っているのか?」など、参加者の皆様が気になるテーマについてお二人からお話しいただきました。
お二人それぞれ、ABSで学んだことが次のキャリアの礎になったことが伝わってくる内容でした。黒岩教授とも終始和やかにお話されており、教員と学生の距離の近さが印象に残りました。
■ 明治大学ビジネススクール/岡俊子 教授 『グローバル企業の成長への道筋~M&Aから見えてくる日本企業~』 |
6コマ目は明治大学ビジネススクール(MBS)です。模擬授業を担当されるのは岡俊子教授。M&Aコンサルタントとして30年間、企業の成長と再生を支えてこられた実務の第一人者です。現在は、ソニーグループやENEOSホールディングスなどの社外取締役も勤めておられます。
実際の授業を30分のダイジェストにまとめたお話は、実務家の視点をふんだんに織り込んだ内容でした。教科書的な内容にとどまらず、現代の日本企業の経営やM&Aにおける課題やその対応のためのポイントを具体的に解説いただきました。
今回は時間の都合で講義のみでしたが、実際に経営やM&Aに携わっている方は実務上の悩みをいろいろ質問したくなったのではないでしょうか。自分の仕事のテーマを持ち込みながら学ぶのも大きなメリットがあると思います。
■ KIT虎ノ門大学院/野村恭彦 教授 『ビジネス“スロー”思考 ~SDGs時代のイノベーションの起こし方~』 |
残すところあと2コマ、KIT虎ノ門大学院の模擬授業が始まりました。担当するのは野村恭彦教授。企業?行政?NGOの3つのセクターの対話と協力を引き出しながら、社会課題解決型のイノベーションを多数手がけてこられたファシリテーションの先駆者です。今回の模擬授業のテーマは「スロー思考」です。
SDGs時代、社会の本質的な変容を起こしていくためには、社会課題の発見を起点にステークホルダーとの関係性を丁寧にデザインし、相互信頼に基づく協働を行っていくことが求められます。逆に言えば、従来のビジネスの多くが採用してきた市場のニーズにスピーディーに応える「ファスト思考」が通用しづらくなってきています。
授業では具体的な事例とともに「スロー思考」の特徴や可能性、そして新しい時代のリーダーシップスタイルを提案しました。「共感できるお話だった」という感想をある方がZoomのチャットに投稿されていましたが、多くの参加者の方がそう思われたのではないでしょうか。
■ 多摩大学大学院/徳岡晃一郎 教授 『イノベーターシップを磨く“人生100年&VUCA時代を切り拓く最強のコンピテンシー”』 |
最後は多摩大学大学院。模擬授業を担当されるのは徳岡晃一郎教授。徳岡教授は、還暦を機に株式会社ライフシフトを創業し、精力的に活動されています。テーマは同校MBAの核となるコンセプトである「イノベーターシップ」です。
イノベーションとリーダーシップを掛け合わせた造語で、野中郁次郎一橋大学名誉教授との議論から生まれたアイデアとのこと。「新しい世界や新しい社会を構想し、そこへ向けて自分がなすべきことを考え出し、主体的に実践していく力」と定義されます。
「人生100年&人口減少」「デジタル(DX)」「ニューノーマル」などの要因で短期的な競争戦略が限界を迎えている中、未来を創造するビジョンを持ち、長期的な成長戦略を持つことの重要性を一貫して強調されていました。日々の仕事に忙殺されがちな中、大学院で学ぶことの意義を感じることができました。
■ 参加者アンケートで寄せられた声 |
以上、簡単に8校の模擬授業の様子をご紹介しました。良い教育プログラムを提供したいという思いは共通でありながら、各校の特徴や雰囲気の違いが伝わってくる一日でした。最後に、参加者の方々から寄せられたコメントを一部抜粋してご紹介します。
「各大学院間のスムーズな連携や、Zoomならではのディスカッションやチャットによる質問形式が良かったと思います」
「すべての大学の説明会には参加できませんでしたが、受験生にとっては比較検討する上で有意義だと感じました」
「修了生より自分自身の就学目的、勉強中の難しいところ、生活への影響などを教えていただきました」
「時間の都合で仕方ないことですが、もう少し質疑応答や在学生とのディスカッションが出来ると良いと感じました」
「各大学のHPから読み取れない雰囲気がよく分かった」
「模擬授業は、資料等では分かり難い実際の授業の雰囲気、教授の人柄もわかり良かったと思います」
「内容について各大学に任せているようで、ばらばらであったが、各大学院の特徴が見えてよかった」
関心を持たれた方は、各校のホームページや独自に開催している説明会等もぜひチェックしてみてください。KIT虎ノ門大学院でも、入学を検討されている方を対象とした公開講座や講義見学を開催しております。時間が合わない方向けにはオンラインでの個別相談も受け付けていますので、ぜひお気軽にご参加?お問い合わせください!