開講科目の詳細
ビジネス交渉演習
Business Negotiation Practicum
受講対象者
業務で対外交渉を行う方、および、過去の「交渉学要論」、または、「ビジネス交渉特論」を履修した方
授業の主題と概要
交渉学は、交渉を複数の当事者間で対立する問題の解決プロセスと考え、実際の交渉事例を分析し、問題解決の成功確率を上げる方法論を抽出した米国ハーバード大学の研究です。本科目は、交渉学研究に基づき、企業間の提携交渉の実務を担当するビジネスパーソンを対象とし、実際の事例から開発されたビジネス交渉のシミュレーションを通じて、対立の本質は何であったか、どのような問題解決の方法があったか等を議論を通じて、交渉による問題解決の方法論を学修します。本科目は、交渉学研究に基づき、東京大学および慶應義塾大学において、日本人向けに開発された人材育成プログラムを用います。
本科目は、企業が実際に遭遇した2つの交渉事例(ケース1:企業の買収交渉、ケース2:合弁会社の設立交渉)における対立点(例:買収条件、出資比率、特許権の帰属等)の交渉を素材に開発されたビジネスケースを用いた模擬交渉と議論を通じてシミュレーションします。ケースの背景知識や専門知識等の講義は行うが、受講者が自ら考えて問題解決に取組み、講師は受講者の学修を支援する演習科目です。
本科目は、全体総括とリーガル面のフィードバックは一色が担当し、ファイナンス面のフィードバックは高槻が担当し、授業運営と知財面のフィードバックは竹本が担当するチームティーチングで行います。
到達(習得)目標
企業間の提携交渉に必要な「相手との価値観の違いの理解」、「リーガルとファイナンス両面によるリスクマネジメント」、「知財の価値とリスクの理解」について、模擬交渉を通じたビジネスシミュレーションを通じて学び、複雑なビジネス交渉のシーンにおいて、論理的な交渉シナリオを立案し、交渉中に陥り易い心理的な影響を乗り越えて問題を解決できる実務能力を身に付ける
講義スケジュール
講義 回数 |
講義テーマ |
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1,2 | <オリエンテーション> 講義全体のプロセス、課題の提出方法等を説明 <ケース1:ヒント講義> 交渉学の基礎理論の復習とケース1を検討するために必要な背景、専門知識について、講義する <ケース1:交渉準備> ヒント講義に基づき、各自が事前準備を行なう。その後、同じ役割同士で議論し、事前準備の精度を高める |
3,4 | <ケース1:模擬交渉> 交渉ケースについて、事前に準備した内容に基づき、模擬交渉を行う。 交渉後、交渉相手に交渉シナリオを説明し、交渉結果から、何が課題であったかを学び合う <ケース1:ビジネスシミュレーション> 模擬交渉の結果を共有すると共に、ケース1の修得目標に基づき、講師と学習者が主要な論点について議論する。 次に、リアルケースの内容を共有し、各自の交渉と比較し、問題の本質と問題解決の方法論について、議論する |
5,6 | <ケース2:ヒント講義> ケース2を検討するために必要な背景、専門知識について、講義する <ケース2:事前準備> ヒント講義に基づき、各自が交渉シナリオを事前準備する。 その後、同じ役割同士で議論し、交渉シナリオの精度を上げる |
7,8 | <ケース2:模擬交渉> 交渉ケースについて、事前に準備した内容に基づき、模擬交渉を行う。 交渉後、交渉相手に交渉シナリオを説明し、交渉結果から、何が課題であったかを学び合う <ケース2:ビジネスシミュレーション> 模擬交渉の結果を共有すると共に、ケース2の修得目標に基づき、講師と受講者が主要な論点について議論する。 次に、リアルケースの内容を共有し、各自の交渉と比較し、問題の本質と問題解決の方法論について、議論する |
開講について
開講時期: 4学期
開講形態: 2コマ(180分)×4日間
講義回数: 全8回
※状況に応じて、一部変更が生じる場合もございます。予めご了承ください。
テキスト/参考図書
【テキスト】
「契約交渉のセオリー(改訂版)」一色正彦?竹下洋史著、第一法規
「売り言葉は買うな!ビジネス交渉の必勝法」一色正彦?高槻亮輔著、日本経済新聞出版社
「交渉の達人」ディーパック?マクホトラ他著、日本経済新聞出版社
「行動意思決定論」M.H.ベイザーマン他著、白桃書房
「話す技術?聞く技術」ダグラス?ストーン他著、日経新聞出版社
「キッシンジャー超交渉術」J.K.セべニウス他著、日経BP社
※上記は一部追加?変更となる場合もございます。また、指定テキスト及びケースなどは、別途ご購入頂くもので、授業料には含まれておりません。予めご了承ください。