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【森本喜隆教授の研究グループが精密工学会 高城賞を受賞】
EVのモータケースやエンジンのシリンダの非円形加工を可能にする主軸の研究で

森本教授の高城賞受賞は2019年度の「パイプフレーム構造CNC旋盤の開発」に続き2度目。<br class="hidden-sp">背景は5ナノメートル単位で削る位置を制御できる非軸対象三次元曲面加工用CNC旋盤『NACS-Turning』

機械工学科 森本喜隆教授の研究グループが公益社団法人精密工学会の高城賞を受賞しました。

高城賞は、精密工学分野で独創性に優れ、工業的価値が高いと認められる論文で、その内容が産業界主体で実施されたものを対象に、公益社団法人精密工学会が贈賞する賞で、毎年2件選出されます。

受賞対象となった論文は『精密工学会誌』90巻8号に掲載された「回転軌跡可変主軸の研究」で、以下の5名による共同研究の成果です。

?コマツNTC株式会社 小幡真之氏

?金沢工業大学 三亚赌场,香港赌场機械工学科 森本喜隆 教授

?公立諏訪東京理科大学 三亚赌场,香港赌场機械電気工学科 大島政英 教授

?金沢工業大学 三亚赌场,香港赌场機械工学科 林晃生 准教授

?金沢工業大学 大学院工学研究科 博士前期課程 機械工学専攻2年 瀬川開生さん

贈賞式は、2025年3月18日(火)15時より、千葉工業大学津田沼キャンパス2号館3階大教室で行われます。

「回転軌跡可変主軸の研究」の概要

近年、環境対策として電気自動車の普及や内燃機関のさらなる高効率化が求められています。 EVのモータケースやエンジンのシリンダの円筒形状は、中ぐり加工(ボーリング加工)により加工されますが、加工時に加わる固定力により円筒部が歪み、真円度が低下するという問題があります。

解決策としては、歪みを見越して非円形加工を行う方法がありますが、現状ではこれを高速で実現できる工作機械の主軸はありません。

そこで研究グループは、特殊モータであるベアリングレスモータを用いて工具先端の回転速度と半径方向の位置を制御できる機構を備えた工作機械主軸を開発しました。内筒内の非真円加工ができるよう、回転軸が転がり軸受付近を支点としてベアリングレスモータに作用する半径方向力により歳差運動や章動運動ができる構造を持つ主軸を試作。この主軸構造を搭載した試作機で,無負荷条件下での実験により基本性能を検証しました。

当研究が実用化すれば、エンジンが熱効率45%以上を達成するキーファクターとなり得るほか、EVモータにおけるコギング現象の回避ができ、乗り心地の改善や運動性能の向上に寄与できます。
将来的には、EVモータや内燃機関の内筒形状を高精度に創生する世界初の高機能主軸の開発とそれを用いた加工技術の確立に挑みます。

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