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【動画あり】将棋AIにおける指し手の意図の解釈向上手法を提案。情報工学科4年 大田皐介さん

将棋AIの性能は近年著しく向上し、人間の棋力を大きく上回るものになっています。プロ棋士やアマチュアを問わず将棋の研究に将棋AIが利用されているほか、対局の中継画面にも将棋AIの盤面評価値が表示され、観戦者が局面の形勢を理解するための助けとなっています。
しかし、将棋AIは局面の評価値と読み筋を提示しますが、なぜその指し手が最善であるかは説明していません。
指し手の意図を分かりやすく提示することができれば将棋プレイヤーだけでなく、観戦者にとっても有用です。

先行研究では将棋AIが重要視した局面のマスをヒートマップ(2次元データの個々の値を色や濃淡として表現した可視化グラフの一種)を用いて可視化し、将棋AIがどのマスに注目しているのか明らかになりましたが、それが実際の指し手にどう影響し、なぜそのマスが重要であるのか、簡単には理解しにくいという課題がありました。

そこで情報工学科4年 大田皐介さん(中沢実研究室)は、将棋AIが重要視した駒の動きからどう動かそうとしているのか明らかにし、先行研究より分かりやすい可視化を目指しました。

将棋AIにおける指し手の意図の解釈向上手法を提案した大田皐介さん

大田さんは、将棋AI「dlshogi」が局面のvalue(勝率:出力時の重要な駒の利き)とpolicy(指し手:出力時の重要な駒の利き)を出力する際に、dlshogiが重要視している駒の攻撃を可視化する方法を提案。さらに、dlshogiの探索部分であるモンテカルロ木探索が算出する局面の価値予測を、この手法を用いて可視化する方法も提案しました。
その上で、第5回世界将棋AI電竜戦TSEC指定局面戦の棋譜を用いて、提案手法によって特定された駒の攻撃が、出力されるpolicyとvalueに与える影響を評価。その結果、提案手法によって特定された最も重要な駒の攻撃が、policyとvalueの出力に大きな影響を与えることが分かりました。

(動画)将棋AIの読み筋と各局面の重要な駒の利きの動きを可視化。

大田さんのポスター

情報工学科では2025年2月13日(木)、14日(金)の2日間、金沢工業大学扇が丘キャンパス8号館で1年間の研究成果について公開発表を行う「プロジェクトデザインⅢ公開発表審査会」を開催します。

大田さんは当研究成果を、8号館8.506室で2月13日(木)13時30分から15時50分まで行われる中沢実研究室の発表時間帯において、発表します。

詳細は以下のサイトにてご確認ください。

学部4年生が1年間の研究成果について公開発表する「プロジェクトデザインⅢ公開発表審査会」開催。2025年2月13日(木)、14日(金)の2日間、金沢工業大学扇が丘キャンパスで

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