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【国内外のデータ分析コンペで快進撃!】
データサイエンスに関する課外プロジェクト Data Dreamers 2024年活動報告
Data Dreamers(指導教員:経営情報学科 狩野剛准教授、情報工学科 山本知仁教授)は2023年度に発足した金沢工業大学初のデータサイエンスに関する課外プロジェクトです。データ分析系を扱う技術向上の機会が得られる場の構築と、オープン?クローズドを合わせた実データを使って社会課題を解決できるデータサイエンティストの育成を目指しています。
現在は情報工学を専攻する学生を中心に、あわせて116名が所属。勉強会?コンペティションへの参加などを通じてメンバーのスキルアップを目指しています。
このプロジェクトでは現在、オープンデータの活用を中心にe-Govデータコンテストや地方創生☆政策アイデアコンテストへ取り組む班、金融データを用いて有価証券報告書の可視化アプリや株式?仮想通貨の自動売買シミュレーションを行う班、スポーツデータサイエンスコンペティションに挑戦する班、LLM(大規模言語モデル)を活用したアプリケーション開発を進める班、金融やオープンデータ、画像など多岐にわたるコンペティションへの参加を行う班、Data Dreamersで運用するWebアプリケーションの開発を担う班、そしてPaizaラーニングを使ってプログラムやデータサイエンスの基礎知識を身につける班の、合計7つの班に分かれて活動しています。
2024年は1月に日本マイクロソフト株式会社品川本社で開催された生成AIをテーマとした「Azure OpenAI Service 大学生向けハッカソン」に日本代表として出場し優勝という、発足1年目にして快挙を成し遂げています。
以下、2024年のData Dreamers主なコンペ出場結果についてご紹介します。
1)Azure OpenAI Service 大学生向けハッカソン 優勝(2024年1月)
Azure OpenAI Service 大学生向けハッカソンは、株式会社SUN Asteriskと日本マイクロソフト株式会社が共同開催した”ベトナム×日本 大学生国際交流イベント”です。
2024年1月9日から14日に行われた予選には両国から53チーム218名が参加。1月27日に日本マイクロソフト株式会社品川本社で開催された決勝戦には、ベトナム3チームと、日本代表としてData DreamersからData Dreamers caffeine coder(増田圭亮、高輪一貴、河合真志、寺澤望、山内直哉)とData Dreamers Hawk(彦坂昇、勝木隆也、山本佳輝、杉森晃大、船津怜)の2チーム、慶應義塾大学1チームの計3チームが進みました。
競技は、生成AIの機能を組み込んだアプリケーションをAzure OpenAI Serviceを活用して開発することでした。その結果ベトナムから1チーム、日本代表からは金沢工業大学のData Dreamers caffeine coderがそれぞれ優勝しました。
ベトナムの学生も参加するため発表資料やインターフェースデザインはすべて英語で作成することが求められました。
当ニュースの詳細は以下のWebページをご覧ください。
/kitnews/2024/0202_Data_Dreamers.html
2)第2回NEXCO東日本 渋滞予測チャレンジコンテスト(2024年1月~3月)
[精度部門]
銀メダル(上位20%)獲得 3名(伊藤風海、増田圭亮、勝木隆也)
銅メダル(上位40%)獲得 4名(吉本悠真、赤丸太一、杉森晃大、黒瀬慈礼)
NEXCO東日本と東京大学大学院情報学環が開催したコンテスト。NEXCO東日本から提供された過去の交通量データと高速料金?ルート検索履歴データを活用して、2024年4月1日から5月6日の期間における関越道?東北道の各区間の渋滞有無を1時間ごとに予測する精度が競われました。
詳細は以下の夢考房プロジェクトWebページ「データサイエンス 2024年度 大会結果?活動報告」をご覧ください。
/yumekobo/project/news_01datascience.html
3)Axell AI Contest 2024 入賞(2024年8月)
「AI超解像モデルの開発」をテーマに(株)アクセルが主催した学生向けのAIコンテスト。 アクセルが用意したオリジナルのデータセット約1000枚の写真を用いて、画像を4倍にスケールした際のAI超解像モデルの開発に取り組みました。
Data Dreamersは、超解像モデルの推論速度を保ちながら、精度向上に繋がる手法やアルゴリズムを、書籍や論文などを元基に技術選定を行い、実際にコーディングして実装していくことで、入賞しました。
詳細は以下の夢考房プロジェクトWebページ「データサイエンス 2024年度 大会結果?活動報告」をご覧ください。
/yumekobo/project/news_01datascience.html
※超解像技術:低解像画像を高解像化する技術
※AI超解像モデル:
ディープラーニング、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いることで、画像の高解像度化を実現する技術。
入賞者:山本佳輝
4)第1回国土交通省 地理空間情報データチャレンジ 家賃の予測 入賞(2024年12月)
国土交通省初のデータ分析コンペティション。国土数値情報等の地理空間情報データを活用した不動産の賃料推定モデルの精度を競いました。
※国土数値情報:
国土に関する基礎的な情報(地価、人口、都市計画、災害リスク、交通インフラ、公共施設など)をGIS(地理情報システム)データとして整備し、オープンデータとして公開したもの
入賞者:中村凉
5)学生データ分析AWARD2024 3位入賞(2024年12月)
Data Dreamers Team Eagleチーム(黒瀬慈礼、山本佳輝、皆川青輝、吉岡真)は東京圏への人口集中が引き起こす地方の衰退問題に対し、人口?教育機関?企業の分布データを活用して課題を浮き彫りにしました。そして解決策として、地方に産業クラスターを形成し、地域経済を活性化させる案を提示し、3位に入賞しました。
Data Dreamersの提案内容は以下の「学生データ分析AWARD2024」で紹介されています。
https://techplay.jp/column/1915
【2025年度の活動】
Data Dreamersでは東京大学が主催するデジタル人材育成プログラムであるGCI(グローバル消費インテリジェンス寄附講座)に未履修のプロジェクトメンバーは原則履修とし、8割以上のメンバーの修了を目指しています。
さらに、経産省が主催するデジタル人材育成プログラムであるマナビDX Questにおいて、未履修のプロジェクトメンバーは原則履修とし、「8割以上のメンバーがゴールド修了証を獲得」を目指します。
また2025年も各種のデータ系コンペへの出場を予定しています。
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