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米国の研究開発機関 SRI Internationalが持つイノベーション創出手法を学ぶ

【SRI International認定ワークショップより】<BR>「グリーンハット」が良かった点など肯定的なコメントを実施。次に「レッドハット」が“but”という否定的ワードを使わず改善点についてコメントを行う。

金沢工業大学では、大学院生、学部生を対象としたSRI International認定ワークショップ「2024 SRI's Introduction to Innovation Workshop(I2I Workshop)」を夏期休業中の8月21日(水)から9月13日(金)の期間で開催しました。

SRI Internationalは、シリコンバレーに本拠地を置く非営利の独立研究開発機関です。Stanford Research Instituteとして1946年に設立されて以来、液晶ディスプレーや、コンピューターのマウス、インターネットの原型であるARPANETや自然言語処理など、現代社会に欠かせない数々のイノベーションを創出してきました。iOSに搭載されているSiriも、SRIの数十年にわたる人工知能研究から誕生したもので、手術ロボット「da Vinci」もSRIが生み出しました。

SRI International認定ワークショップは、SRIが持つイノベーション創出のノウハウを学ぶもので、2014年度から実施しています。2日間のワークショップに参加することで修了証が授与されます。

SRIからファシリテーション手法の実技指導を受けた金沢工業大学?国際高等専門学校の教職員20名が”SRI I2I認定ファシリテータ”として6コースを担当(日本語5コース、英語1コース)。さらにSRI Internationalからも講師2名が来日して英語コースを担当し、計7コースが行われました。

参加者は、「エレベーターピッチ」と呼ばれるプレゼンの準備を事前課題として取り組み、一人ずつ順番に発表しました。「エレベーターピッチ」とは、自分自身の研究内容や実現化したいアイデアを1分間、口頭のみで伝えるSRIインターナショナル独自のプレゼン手法のことです。

学科や学年が異なる参加者全員が、自分のイノベーションのアイデアを発表した後、参加者による投票で、上位3、4人を選出。そのアイデアを発表した学生をリーダーとして3、4人でチームを結成し、「価値創造フォーラム」という名称で、各チームが3回ずつ発表しました。

価値創造フォーラムは、チームによるプレゼンテーションと講師や他チームによるフィードバックで構成され、回を重ねるごとにプレゼンテーションの内容を見直していくSRIインターナショナルの手法です。

プレゼンテーションに対しては、まず「グリーンハット」として良かった点など肯定的なコメントを実施。次に「レッドハット」として“but”という否定的ワードを使わず改善点についてコメントします。さらに「顧客の目」として、より知りたい点や競合との比較についてコメントを行います。これらの手法により、常に建設的なフィードバックを行う姿勢を身に付けることができる点が、SRI-I2Iワークショップの大きな特徴となっています。

本ワークショップは例年、夏期と春期で年2回実施され、今回は全コース完全対面で実施されました。昨年度の入学生から「特別奨学生」の本ワークショップへの参加が必須になったこともあり、数日ですべてのコースが定員に達しました。

またワークショップとは別に、認定ファシリテータ研修も実施され、新たに6名の教員が正式に”SRI I2I認定ファシリテータ”に認定されました。これで本学園の認定ファシリテータは41名となりました。

教員向けのSRIワークショップも行われました。昨年度入学生から3年次の必修科目となった「イノベーション基礎」の科目担当教員21名を対象に、教員間の連携強化と、SRIワークショップの内容把握や学内周知を目的に実施されたものです。

今回のSRI-I2Iワークショップでは電子ホワイトボードが使用されました。運営には進路開発センターの学生スタッフが関わり、時には英語でコミュニケーションをとりながら機器の操作をサポートしました。


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