ニュース
NEWS
【高大連携レポート】
石川県立寺井高校で「探究学習における生成AI活用特別講義」を実施
2026年4月24日(金)、石川県立寺井高校において、金沢工業大学による高大連携の一環として「高等学校での学びを加速する生成AIの活用法 -探究学習等で使えるプロンプトエンジニアリング-」をテーマとした講義が実施されました。本講義は、これから本格的に総合的な探究の時間に取り組む高校2年生67名を対象に、生成AIを学習支援ツールとしてどのように活用できるのかを具体的に示すことを目的に行われたもので、講師は金沢工業大学情報理三亚赌场,香港赌场知能情報システム学科の山本知仁教授が務めました。
まず山本教授から、生成AIの進化の歴史や基本的な仕組みについて紹介され、ネットワークを通じて即座に疑問を解消できる「新たな学びの相談相手」としての可能性が示されました。講義内では、AIが東京大学の数学や英語、社会の入試問題を瞬時に解く様子が示され、AIが簡単に答えを出せる時代においては、単に答えを記憶するだけではなく、自ら問いを立てて問題を解決していく「探究学習」が非常に重要視されることが語られました。その一方で、個人情報や著作権への配慮、誤情報(ハルシネーション)のリスクなど、生成AIを使う際に注意すべき点も丁寧に説明を行い、AIを鵜呑みにせず、あくまで自身が主体となって活用する姿勢の大切さを強調しました。
続いて、プロンプトエンジニアリングを活用した生成AIの体験が行われ、探究活動の各フェーズにおいて、生成AIを「足場作り(スカッフォールディング)」として活用する具体的な手法が示されました。

●課題の設定
探究学習で最もつまずきやすいテーマ設定において、AIに答えを求めるのではなく、思考を深める壁打ち相手として活用。「能美市の関係人口を増やすには」「部活動(野球)で内角のボールが打てない」「人とうまくコミュニケーションをとる方法」など、生徒自身の身近な関心事や悩みを起点に、AIとともに問いを細分化し掘り下げるアプローチを実演。
●情報の収集?整理?分析
調べたいテーマに関する基礎情報の収集や、インタビュー結果の整理、データ分析手法の提案など、活動が行き詰まった際のサポート役としてAIを活用する方法を紹介。
●まとめ?表現
文章の要約にとどまらず、画像生成AIを用いた「能美市に大雪が降った様子」の画像作成や、音楽生成AIを用いた「寺井高校の女子生徒が放課後に聴くチルなK-POP」の作成など、マルチモーダルなAI活用を実演。表現の幅を広げる手段としての可能性を示す。
●アンケート結果
講義後のアンケートでは、全体の約80%の生徒が高い満足度を示しました。生徒からは「東大の問題が一瞬で解けることに驚いた」「文章だけでなく、音楽や画像も作れるとは知らなかった」といったAIの性能に感動する声が多く寄せられました。また、「個人情報を教えないように気をつけたい」「嘘の情報(ハルシネーション)に騙されないようにする」「全部AIに任せず、自分で考えることをやめないようにしたい」といった、情報モラルやリテラシーに関する冷静な意見も多数見られ、講義を通じてAIの光と影の両面を深く理解した様子がうかがえました。
●まとめ
本講義を通して、生徒たちは生成AIを単なる「答えを教えてくれる便利な道具(チート)」としてではなく、自分の思考を支え、自らの能力を引き上げてくれる「パートナー」として捉える視点を得ることができました。今後の総合的な探究の時間では、本講義で得た知見を生かし、AIと適切に距離を取りながら主体的で深い学びを展開していくことが期待されます。

(関連ページ)
