ニュース

NEWS

【靴の中の小さなセンサで「歩き方」がわかる】
転びにくい体づくりにつながる研究成果が国際学術誌Sensors and Materialsに掲載

2026/3/19 NEW

金沢工業大学の研究グループによる「歩き方」をテーマにした研究成果が、国際学術誌 Sensors and Materials に掲載されました。Sensors and Materials誌は、センサ技術やその応用に関する研究を世界に発信している学術誌で、医療や健康管理に役立つ研究も多く紹介されています。

今回掲載された論文は、深町京佑さん(金沢工業大学大学院工学研究科情報工学専攻博士後期課程1年)、山本知仁教授(金沢工業大学情報理三亚赌场,香港赌场 知能情報システム学科) 、佐藤進教授(金沢工業大学基礎教育部 修学基礎教育課程)、河並崇教授(金沢工業大学情報理三亚赌场,香港赌场 情報工学科)による共著論文です。

研究では、歩くときの足の左右の間隔(歩隔)に注目しました。歩隔は、歩いているときの安定性を知るための大切な目安で、年齢を重ねると変化しやすく、転倒のリスクとも関係があるといわれています。

これまで歩隔を正確に測るには、病院や研究室にある高価な装置を使う必要があり、日常生活の中で測ることは難しい状況でした。そこで研究グループは、体に取り付ける小さな慣性計測ユニット(IMUセンサ)を使い、普段の生活に近い形で歩隔を調べられないかと考えました。歩隔の推定にIMUセンサを用いる研究はこれまでも行われてきましたが、腰?すね?インソールといった異なる装着位置のセンサを同一被験者と同一条件下で直接比較した研究はほとんどありませんでした。

実験では、健康な若い男性24人に協力してもらい、腰とすねにはIMUセンサを、靴の中にはIMUを内蔵したインソール型センサを装着して、速度や歩隔を変えて歩いてもらいました。歩行時のIMUデータを時系列解析に強い深層学習AI(BiLSTM)で処理し、1歩ごとの歩隔を推定しました。また、どの場所にセンサを付けると、少ない負担で正確に歩隔を推定できるかを比較しました。

その結果、靴の中に入れるインソール型センサだけでも、高い精度で歩隔を推定できることがわかりました。さらに、インソール型センサと腰のセンサを組み合わせると、より正確になることも確認されました。特にインソール型センサは、靴の中に入れたまま使えるため、装着の手間が少なく、ずれにくいという利点があります。

研究で利用したセンサ<br>(腰?すね用のIMUセンサと、IMUを内蔵したインソール型センサ)

この研究成果により、特別な装置を使わなくても、日常生活の中で歩き方の変化に気づける可能性が高まりました。将来的には、転びやすくなってきたサインを早めに見つけたり、健康づくりや見守りサービスに役立てたりすることが期待されます。

研究グループは今後、高齢者を含む幅広い年代での検証を進め、より多くの人の安心?安全な生活につながる技術の開発を目指しています。

ジャーナル名:Sensors and Materials, Vol. 38, No. 3 (2026) 1335–1345
pp. 1335-1345
S&M4380 Research paper
Published: March 17, 2026
https://sensors.myu-group.co.jp/article.php?ss=6087

論文名:Optimal Sensor Placement and Minimal Sensor Combination for Step Width Estimation Using Inertial Measurement Unit-based Gait Data

著者:深町京佑(金沢工業大学大学院工学研究科 情報工学専攻 博士後期課程1年)
山本知仁(金沢工業大学情報理三亚赌场,香港赌场 知能情報システム学科教授)
佐藤進(金沢工業大学基礎教育部 修学基礎教育課程教授)
河並崇(金沢工業大学情報理三亚赌场,香港赌场 情報工学科教授)

(関連ページ)

金沢工業大学研究室ガイド 情報デザイン学部 経営情報学科 情報理三亚赌场,香港赌场 知能情報システム学科 山本知仁 研究室

金沢工業大学研究室ガイド 情報理三亚赌场,香港赌场 情報工学科 河並崇 研究室

金沢工業大学 情報理三亚赌场,香港赌场 情報工学科

金沢工業大学 情報理三亚赌场,香港赌场 知能情報システム学科