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【応用物理学会「量子エネルギー変換研究会」で講演奨励賞受賞】
大学院バイオ?化学専攻(岡田研究室)に留学中のドゥキさん。
南米?アマゾン川流域における地層年代測定手法の研究で
ブラジル?サンパウロ大学大学院工学研究科バイオ?化学専攻からインターンシップ生として留学中のドゥキさん(岡田研究室所属)が、11月27日~28日に静岡大学浜松キャンパスで開催された応用物理学会「量子エネルギー変換研究会?第4回研究会」において「講演奨励賞」を受賞しました。同賞は、同研究会で行われた38件の学生によるポスター発表の中から、特に優秀と認められた3件に授与されるものです。

ドゥキさんは、微量のAg(銀)をガラス材料(MgB4O7)に添加することで、放射線との相互作用により蛍光特性が発現することを見出しました。特にこの材料は、放射線照射後に加熱すると発光する「熱蛍光」、光を照射すると発光する「輝尽蛍光」、さらに放射線によって化学的特性が変化し発光特性が変化する「ラジオフォトルミネッセンス」の3種類の蛍光現象を示すことが明らかとなりました。これらの蛍光強度は蓄積された積算放射線量に比例するため、放射線計測への応用が期待されます。
ドゥキさんの所属するサンパウロ大学などの研究者から構成する国際共同研究チームは、南米?アマゾン川流域における地層年代測定手法の研究に取り組んでいます。我々の生活環境や地中には微量の放射性物質が存在し、日々わずかな放射線エネルギーを放出していますが、年代測定においては、この環境放射線レベルを正確に把握することが重要です。地中の鉱物も同様の特性を持つことが知られており、地層から抽出された鉱物に蓄積された放射線量の情報と、現地環境の放射線量を比較することで、その地層の年代を推定することが可能となります。
発表タイトル:
Exploring the Luminescent of Silver-Doped Magnesium Borate Glass: Insights from TL, OSL, and RPL Studies
著者(所属):
Isadora Augusta Machado Duque1,2, Go Okada2, Alvaro de Farias Soares3, Lilia Coronato Courrol3, Márcio Yee3, Georgios S. Polymeris4, Sonia Hatsue Tatumi1,3(1. University of Sao Paulo, Brazil, 2. Kanazawa Institute of Technology, Japan, 3. Federal University of Sao Paulo, Brazil, 4. National Centre for Scientific Research "Demokritos", Greece)

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