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【災害に強い街づくりを目指して】
「再生可能エネルギーの地産地消」と「災害に強靭な社会の実現」に向けた金沢工業大学の取り組みが三菱電機のプロモーションムービーで紹介されました

金沢工業大学が進める「再生可能エネルギーの地産地消」と「災害に強靭な社会の実現」に向けた取り組みが、三菱電機のプロモーションムービーで紹介されました。

金沢工業大学×三菱電機
災害に強い街づくりを目指して”共に、期待の先へ。”
60秒ムービー

なお当ムービーの15秒バージョンは、2025年2月1日から2月28日までの1ヶ月間、JR金沢駅のデジタルサイネージで放映される予定です。

金沢工業大学おける「再生可能エネルギーの地産地消」と
「災害に強靭な社会実現」に向けた取り組み

金沢工業大学では、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)、SX(サステイナビリティー?トランスフォーメーション)をリードする人材育成に向け、さまざまな教育研究プロジェクトを進めています。

地方創生研究所(所長 大澤敏学長)では、白山麓キャンパスを拠点に多彩な研究プロジェクトに取り組んでいます。白山麓における社会的課題の解決は、同様の課題を有する国内外の地域にも応用が可能です。「再生可能エネルギーの地産地消」、「災害に強靭な社会」、「農業イノベーション」に関する社会実装研究を産学官の連携により進めることで、国連SDGsの達成を目指すとともに、能登の創造的復興にも貢献したいと考えています。

多彩な研究プロジェクトが行われている金沢工業大学白山麓キャンパス

再生可能エネルギーの地産地消で
災害に強靭な社会を目指す

国連 SDGsでは再生可能エネルギーの利用拡大とともに、自然災害に対する強靭な社会の実現も大きな目標として掲げられています。日本は世界有数の災害大国として知られ、平成30年に北海道胆振東部地震で起きた大規模なブラックアウトや、令和元年の台風による千葉県内の停電被害、令和6年1月の能登半島地震に象徴されるように、自然災害に対する脆弱さが喫緊の課題となっています。

地方創生研究所はICTやIoT、AIやデータサイエンス、ロボット技術、エネルギーマネジメントといった先端技術をした活用地方創生に取り組んでいます。学長自らが所長を務める全学横断型の研究プロジェクトが特徴で、実証実験キャンパスとして平成30年4月に開設された白山麓キャンパスを拠点に研究成果の社会実装を目指しています。

キャンパス内のコテージで小エリア直流(DC)配電網の実証実験を進めている

”電気と熱の地産地消を目指すエネルギーマネジメントプロジェクト”では、キャンパス内のコテージで、電気と熱によるエネルギー地産地消型直流(DC)マイクログリッドの実証実験に取り組んでいます。
太陽光発電などの再生可能エネルギーは直流(DC)で発電され、バッテリーも直流(DC)で蓄電します。また再生可能エネルギーはその特性から広域ではなく小エリアでの地産地消に向いています。白山麓キャンパスでは、太陽光発電や地元産木材チップを燃焼させるバイオマスボイラーによる発電とその廃熱を使った熱電発電、小型風力発電による直流電力をミックスした小エリア直流(DC)配電網を構築。コテージ間を直流(DC)と温水配管により接続して、再生可能エネルギーのベストミックスを探りながらエネルギーを地産地消する実証実験を進めています。

コテージ直流(DC)マイクログリッド制御装置

これまで交流商用電源系統が停電した際も一瞬の停電もなく瞬時に電力自立供給に移行できることが実証されていて、エネルギーレジリエンス(災害に強靭なエネルギー供給網)を実現するものとして注目されています。またコテージ内の暖房はバイオマス発電により生じた温水暖房器を使うため、電気ばかりでなく熱の地産地消も実現しています。

地元産木材チップを燃焼させるバイオマス発電はカーボンニュートラルな再生可能エネルギーであるとともに地元林業の活性化にもつながります。エネルギーの地産地消は地方創生に貢献するものとして大きな期待が寄せられています。

バイオマス発電装置。地元産の木材チップを使用

廃熱を使った熱電発電装置と温水配管。温水はコテージやいちご圃場の暖房に使われる

エネルギーレジリエンスとしてもう一つ特筆すべきことは、EVや電動自転車を仮想配電網として使う実証実験を進めていることにあります。

災害等で他地域の配電網に障害が生じた場合でも、EVで電気を運べます。また道路が寸断され、EVでは行けない場所には電動自転車で電気を運びます。開発された電動自転車は走行しながら発電ができ、カートリッジ式蓄電池に電気が貯められます。またパンクしないよう、チューブレスタイヤを採用しています。行った先でもその場で発電ができるため、まさに災害に強靭なエネルギーインフラを目指した、これからますます必要となる実践的な研究と言えます。

仮想配電網として使用されるEV

走行しながら発電、カートリッジ式蓄電池で電気を運べる

さらに金沢工業大学のメインキャンパスである扇が丘キャンパスは、災害発生時の学生の避難先であるとともに、キャンパス周辺の地域住民の拠点避難所にもなっています。
このため、令和5年度から扇が丘キャンパスでも白山麓キャンパスでの知見を活用した直流給電システムを展開。災害に強いキャンパスづくりに取り組んでいます。

再生可能エネルギーを使用した
研究用いちご圃場

金沢工業大学では令和元年10月に白山麓キャンパス内に研究用いちご圃場を設置し、高品質ないちごの生産に向けた新たな実証研究を産学連携で取り組んでいます。

高齢化社会に入り、様々な産業において人手不足が深刻な課題となっています。第一次産業である農業においても、農業従事者の高齢化と農業就業人口の減少が進み、労働負荷軽減と新規就農者の確保は喫緊の課題となっています。当圃場は、二酸化炭素や照度、温度、水分に関する情報をセンサーで取得し、遮蔽カーテンの開閉や空調、肥水の供給なども全自動で行われます。

またいちご栽培では通常、暖房や光合成のために化石燃料を使用しています。
ここ白山麓キャンパスではバイオマス発電で使用された排熱を暖房に利用するほか、光合成に必要な二酸化炭素は、空気中の二酸化炭素を圧縮する装置を導入。脱炭素化に向けた農業イノベーションを実現しています。

ここで栽培されたいちごは、地球環境にやさしいいちごとして、金沢工業大学の学生食堂むけに提供されています。

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