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金沢工業大学 河並研究室が小学生を対象に産官学連携で実施。「ドローン プログラミング チャレンジ」2024年度大会開催レポート
カナザワドローンプログラミングチャレンジ2025-駆け抜けろ!金沢マラソン!ー ダイジェスト動画
KANAZAWA DRONE PROGRAMMING CHALLENGE 実行委員会
(金沢工業大学 河並研究室/一般社団法人FAP/北陸大学ものづくりラボ)
動画制作?撮影:株式会社ミュージッククラブ
金沢工業大学 情報工学科 河並崇教授の研究室では、一般社団法人FAPと北陸大学 ものづくりLabと共同で、小学校3年生から6年生までを対象に「ドローン プログラミング チャレンジ」を北陸3県で開催しています。
「ドローン プログラミング チャレンジ」は、ドローンを操縦するコントローラ「micro:bit」※を小学生自らがプログラミングし、立体コースに設けられた各ミッションを小型ドローンでクリアしながら、ゴールを目指す競技です。コースをクリアした時間や、ミッションを成功させたかどうかでポイントが加点され、ポイントを一番多く獲得したチームが優勝します。
コントローラとなる「micro:bit」にはボタンが2つしかなく、思い通りにドローンを制御するためにはスマートな設計とプログラムの工夫が必要であり、各人の論理的的思考力が求められます。さらに、実際にドローンを操縦するために空間把握能力と操縦能力も必要になります。参加者はプログラミングに関する事前講習会とフォローアップ教室に参加し、競技会に臨みます。
※micro:bit:BBC(英国放送協会/British Broadcasting Corporation)が中心となって開発した教育用の小型コンピューターボード
大会実行委員長を務める河並崇教授は、「子どもたちに『やりたい』と思わせる大きな原動力は楽しさだと思います。ドローン プログラミング チャレンジは楽しく目的を達成するうちに、プログラミング能力や論理的思考能力を身に付けられるように工夫しています」と語ります。魚津大会に3年前の小学4年生から参加していた廣田 悠羽さんは、ドローン プログラミング チャレンジに参加したことがきっかけで、ドローンやロボットをプログラミングで動かすことの面白さを感じWRO(World Robot Olympiad)にも挑戦し全国大会で優勝しました。そして2024年11月にトルコ共和国イズミルで世界90以上の国と地域が参加して開催された「WRO2024トルコ世界大会」に日本代表として出場し、101チーム中26位の好成績を収めました。本取組みは北陸地域における小学生のプログラミングスキルアップに貢献しています。さらに河並崇教授は「このドローン プログラミング チャレンジを全国の子どもたちに届けられるように今後も拡大したいと思っています」と語ります。
2024年度は金沢市、魚津市、越前市で開催されました。
以下、2024年度大会結果についてご紹介します。基本的なコースは同じですが、サプライズルールは異なります。また、開催地域に合わせたテーマとミッション名が特徴です。
【カナザワドローンプログラミングチャレンジ2025】
主催:KANAZAWA DRONE PROGRAMMING CHALLENGE実行委員会
(金沢工業大学 河並研究室/一般社団法人FAP/北陸大学ものづくりLab)
第3回となる金沢大会は2025年1月12日(日) にITビジネスプラザ武蔵で開催されました。石川県内(金沢市、能美市、津幡町、七尾市、宝達志水町、羽咋市)の小学生14チーム、17名が参加。白熱したバトルを展開しました。
金沢大会は、村山 卓金沢市長と喜多浩一金沢市議会議長の挨拶から始まりました。
小森卓郎 衆議院議員、佐々木紀 衆議院議員も会場を視察し、挨拶しました。
金沢市では全国に先駆けて2025年から市内小学校6年生でドローンを使ったプログラミングの授業が行われます。その出口となる「ドローン プログラミング チャレンジ」への期待が寄せられました。
コースは「金沢マラソン」に関する5つのミッションが用意されました。
[ミッション1]観光名所を激写せよ!
ドローンのカメラでQRコードを読み取り、金沢駅の鼓門の画像が表示されたらミッションクリア。
[ミッション2]坂トンネルをくぐりぬけろ!
金沢マラソンには坂になったトンネルがあります。そんなトンネルをイメージしたフラフープを3つともくぐり抜けたらミッションクリア。
[ミッション3]石川県庁に着陸せよ!
金沢マラソンのコースの真横にそびえ立つ石川県庁のような高い棚の頂上に着陸して3秒とまったらミッションクリア。
[ミッション4]陸上競技場の真ん中を狙え!
着地点の中心を狙って着陸したらミッションクリア。真ん中に近いほどポイントが大きくなります。
[ミッション5]サプライズミッション(競技会前日発表)
カナザワドローンプログラミングチャレンジ2025結果
第1位 チーム名:森森コンビ 森 亮介 選手/大森 千颯 選手
第2位 チーム名:くらべえ飛行隊Ⅲ 倉戸 笙太 選手
第3位 チーム名:Michinari 稲田 道成 選手
優勝した森森コンビの森 亮介 選手と大森 千颯 選手(いずれも小学5年生)にお話をお聞きしました。
―参加したきっかけは?
大森選手
昨年度のカナザワドローンプログラミングチャレンジ2024に参加しましたが、”無惨な結果”に終わったので、リベンジしようと森さんを仲間として誘いました。
森選手
大森さんから声をかけられ、面白そうだと思って参加しました。
ドローンプログラミング大会は初めてて緊張したけど、相方と最後までやり遂げられて楽しかったです。
―優勝した感想は?
大森選手
操作の練習をし、努力が報われました。
森選手
プログラムの改変が楽しかった。初めて参加したので難しかったけど、優勝できてうれしいです。
―将来の目標は?
大森選手
ITエンジニアになりたいです。
森選手
プログラミングコンテストとは関係ないですが、ユーチューバーになりたいです。
【魚津ドローンプログラミングチャレンジ2024】
主催:魚津市教育委員会、DRONE PROGRAMMING CHALLENGE実行委員会
((一般社団法人FAP/金沢工業大学 河並研究室/北陸大学 ものづくりLab)
第3回となる魚津大会は2024年12月15日(日)に新川文化ホール開催で開催され、5チーム(5名)が参加しました。
コースはミラージュランドに関する5つのミッションが用意されました。
[ミッション1]バイキングを発見せよ!
ミラージュランドに現れた大きな海賊船バイキングをドローンのカメラで見つけろ!
撮影エリアからカメラでQRコードを読み込みバイキングが表示されたらミッションクリア。
[ミッション2]ジャイアントホイール(大観覧車)に着陸せよ!
ミラージュランドの大観覧車のような高い棚の頂上に着陸して3秒とまったら ミッションクリア。
[ミッション3]ミラメイズ(立体迷路)をくぐりぬけろ!
ミラージュランドにある立体迷路のように並んだフラフープを2つともくぐり抜けたらミッションクリア。
[ミッション4]バズーカのように真ん中を狙え!
着地点の中心を狙って着陸したらミッションクリア。真ん中に近いほどポイントが大きくなります。
[ミッション5]サプライズミッション(競技会当日発表)
魚津ドローンプログラミングチャレンジ2024結果
第1位 チーム名:フェニックス 廣田 悠羽 選手
第2位 チーム名:アルセウス 丸岡 春斗 選手
第3位 チーム名:スーパーカー 今西 智浩 選手
優勝した廣田 悠羽 選手(小学6年生)にお話をお聞きしました。
―小学4年から参加しているそうですね。
もともとプログラミングに興味があり、魚津ドローンプログラミングチャレンジの事前講習会として行われたキッズプログラミングスクールに応募したことがきっかけです。
小4のときは遠慮して目標を3位にしましたが、結局3位に、小5は目標は2位にして結果2位、小6の今回は目標1位に掲げて結果1位となりました。
―魚津大会優勝の感想は?
努力が実ってうれしいです。予選で1位をとらないと決勝では1位になれないので、みんなが満点をとると考え、コースの長さをはかり、どうすれば速いタイムでゴールができるか細かい調整を行いました。
―将来の目標は?
SEになりたいです。プログラミングで何かものづくりがしたいです。
【越前市ドローンプログラミングチャレンジ2024】
主催:越前市ドローンプログラミングチャレンジ2024実行委員会
(越前市/一般社団法人FAP/金沢工業大学 河並研究室/北陸大学 ものづくりLab/ソフトバンク株式会社)
第2回となる越前市大会は2024年11月17日(日)に市民プラザ武生 4階 多目的ホールで開催され、9チーム(11名)が参加しました。
コースは越前市の紫式部公園に関するミッションが用意されました。
[ミッション1]紫式部を発見せよ!
紫式部が歌を詠んでいる姿をドローンのカメラで見つけろ!撮影エリアからカメラでQRコードを読み込み表示されたらミッションクリア。
[ミッション2]平橋?反橋をくぐりぬけろ!
紫式部公園の中央にある中島にかかる平橋と反橋をイメージしたフラフープを3つともくぐり抜けたらミッションクリア。
[ミッション3]紫式部像(マイクラ版)に着陸せよ!
マインクラフトで作られた巨大紫式部像のような高い棚の頂上に着陸して3秒とまったらミッションクリア
[ミッション4]釣殿(つりどの)に着地せよ!
紫式部公園のシンボルの一つである釣殿、その中心を狙って着陸したらミッションクリア。真ん中に近いほどポイントが大きくなります。
[ミッション5]サプライズミッション(競技会当日発表)
越前市ドローンプログラミングチャレンジ2024結果
第1位 チーム名:TEAMチョコミント 青木 優心 選手
第2位 チーム名:Marker 上嶋 辰輝 選手
第3位 チーム名:トラにつばさ 高山 裕佳子 選手、高山 裕貴子 選手
優勝した青木 優心 選手(小学6年生)にお話をお聞きしました。
―参加したきっかけは?
昨年、父に誘われて参加した時に楽しかったことと、その時は上位に入れず、リベンジを果たしたかったので今年も参加しました。
―優勝した感想は?
予選は2位で、ゴール着地の点数が低かったので、どうしたらゴールの点数が取れるかを考えました。決勝では細かい動きを入れて調整し、ゴールど真ん中に着地で。優勝できて嬉しかったです。
―これを機にやりたいことは?
今後も様々なプログラミング体験をやってみたいです。
―これから参加するみなさんに向けてメッセージはありますか?
慌てると誤作動を起こすので、落ち着くことが大事だと思います。
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