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【査読付き国際学術誌に掲載】大学院バイオ?化学専攻1年の竹林文夫さんが新しい蛍光体機能を持つ材料を発見。
大学院工学研究科バイオ?化学専攻博士前期課程(修士課程)1年の竹林文夫さん (研究指導担当教員:岡田 豪 准教授 )が執筆した論文が国際論文誌「Japanese Journal of Applied Physics」にオンライン掲載されました。
「Japanese Journal of Applied Physics」は応用物理学会(JSAP)の委託を受けて英国物理学会(IOP)から発行される査読付き国際学術誌です。
本論文で取り扱うラジオフォトルミネッセンス(RPL)現象とは、放射線によって物質中に新たな発光中心が形成される現象で、線量計などの放射線検出素子に応用されています。一方で、RPLを示す材料の報告例は極少数となっており、RPL現象の原理には未解明な点が数多く残されています。そのため、分野全体として現象理解や応用展開が進んでいないということが課題として挙げられます。
今回、竹林さんはユウロピウム(Eu)添加リチウムストロンチウムシリケート(Li2SrSiO4)において新たにRPL現象を見出すとともに、放射線検出器への応用を目的としたRPL特性について調査を行い、その結果について報告しました。
今回の研究成果は、RPL現象のさらなる理解に寄与するものです。
論文タイトル : Radiophotoluminescence properties of Eu-doped Li2SrSiO4 for radiation detectors
著者 : Fumio Takebayashi, Go Okada and Hidehito Nanto
Published 20 December 2023
Japanese Journal of Applied Physics, Volume 63, Number 1
※『Japanese Journal of Applied Physics』について
Japanese Journal of Applied Physics (JJAP)は、応用物理学のあらゆる分野における知識の向上と普及を目的とした国際学術誌。Applied Physics Express (APEX)の姉妹誌であり、応用物理学会(JSAP)の委託を受けてIOP Publishing Ltd.が発行しています。半導体、誘電体、有機材料、フォトニクス、量子エレクトロニクス、光学、分光学、スピントロニクス、超伝導、強相関物質、量子情報処理を含むデバイス物理学、物理ベースの回路とシステム、ナノスケールの科学と技術、結晶成長、表面、界面、薄膜、バルク材料、プラズマ、応用原子分子物理学、応用原子核物理学、バイス加工、製造、計測技術、計測機器、バイオエレクトロニクス/フォトニクス、バイオセンシング、環境/エネルギー技術、MEMSなど、物理学の理解の進展に大きく貢献する論文を掲載しています。
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