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地域GXへの展開とGX人材育成を目指して 
産学共創ラボ「KIT×NTT-AEスマートエネルギーラボ」を開所

セレモニーのオープニングで流されたムービー

金沢工業大学とNTTアノードエナジー株式会社(以下:NTTアノードエナジー)による産学共創ラボ「KIT × NTT-AEスマートエネルギーラボ」(所長:泉井良夫 金沢工業大学 電気電子工学科教授)の開所式が2023年11月2日(木)13時30分より、金沢工業大学扇が丘キャンパス12号館4階イノベーションホールで行われました。

当ラボは、同日、大学キャンパス間での直流による電力融通を実現する日本初のシステムの構築を完了し、本格運用を開始したことを受けて、両者の共同事業の円滑な推進と地域GX(グリーントランスフォーメーション)へのさらなる展開およびGX人材の育成を目的に設立されたもの。キャンパス全体を一つのラボに見立て、社会実装にむけた教育と研究を進めていくのが大きな特徴となっています。

開所式には、NTTアノードエナジーから岸本照之代表取締役社長と関洋介副社長執行役員、小松宏至スマートエネルギー本部スマートグリッド部部長が、そして学校法人金沢工業大学からは泉屋吉郎理事長と大澤敏学長、泉井良夫所長が出席。はじめに主催者を代表し、岸本社長と大澤学長が挨拶を行いました。

【NTTアノードエナジー株式会社 岸本照之代表取締役社長の挨拶の要旨】

このたび金沢工業大学と一緒になり、キャンパスの中で直流給電システムを作りました。これは再生可能エネルギーとカーボンニュートラルに貢献するだけではなく、災害時は金沢工業大学の体育館が地域の避難所になっている点で、地域住民の方にとっても生活に欠かせない電気を安定して安心して使っていただけるモデルになるものです。

立ち上がったばかりの事業のため、社会実装に向けて課題は多くあります。その課題解決に向けて、是非とも金沢工業大学とNTTアノードエナジーが一緒になり、この共創ラボで取り組んでいきたいと思っています。

この直流給電システムを他の自治体や企業にパッケージとして提供していく上では、泉井教授をはじめとするアカデミックな知見と学生の皆さんが実フィールドで課題解決をしていくことが必要となります。そして今後の日本を担うGX人材がこのキャンパスから育っていくことを期待しています。私達はこの事業を金沢工業大学と一緒になり育て、これを石川発、金沢工業大学発ということで、日本全国、世界にも展開していきたいと願っています。

岸本照之代表取締役社長は 「今後の日本を担うGX人材がこのキャンパスから育っていくことを期待しています」とのべた

【金沢工業大学 大澤敏学長の挨拶の要旨】

私からは、大学になぜ、このようなラボを開設したのかについて、2点、ご説明します。

まず1点目です。カーボンニュートラルに対してどうアプローチしていくのか、明確なところが分かっていない学生はまだまだ多いのかと思います。このたび直流による電力融通が実現したことで、学生は日々の学習のフィールドであるこのキャンパスの中で、どんな研究が行われているのかを実際に感じるこができます。さらに5学科の教員がラボの所員として参加しています。こうした教員の研究室や、多くのSDGs関連プロジェクトから学生が参画し研究に取り組むことで、自分たちが新しい未来を創るんだというGX人材に向けたマインドの醸成が、教育機関の実装の現場、社会実装の場であるこのラボの非常に大きな意義だと思います。

もう1点は、金沢工業大学が地域の防災拠点になっていることです。災害が起きた場合、エネルギーがどうしても必要です。災害時にどうやって蓄電して、どのようにして使っていくのか、防災とエネルギーレジリエンスという観点から、社会実装研究を学生自らがこのキャンパスで感じることで、将来の有り様というものを考える機会が出てくることに非常に大きな意義を感じています。

「社会実装の場に直接学生が参加するということ」と「災害がこれから起こってきたときに何が必要か」という2つの観点が教育機関としては非常に大事です。このたびキャンパスで立ち上がった直流による電力融通システムが自立型のモデルケースとして、野々市市から県内の地域全体に、そして日本へ世界へと広がっていくということを祈念しています。

「社会実装の場に直接学生が参加するということ」と「災害がこれから起こってきたときに何が必要か」という2つの観点から意義を語る大澤学長

続いてKIT × NTT-AEスマートエネルギーラボについて泉井所長が説明を行いました。

ラボについて詳細な説明を行なう泉井所長(壇上左)

説明の詳細は以下のWEBページをご覧ください。

/kitnews/2023/1102_smart-energy-lab.html

日本初の直流電力融通システム構築とラボ開所の意義

【直流で創る、直流で運ぶ、直流で蓄める、直流で使う】

キャンパス内に設置された大型の太陽光発電パネルで再生可能エネルギーを「直流で創り」、そのまま「直流で運び」、「直流で蓄め」、自習室など学生が利用する施設で「直流のまま使う」。 これにより、交流?直流の変換によるエネルギー損失を大幅に削減するとともに、災害などに伴う停電時にも自立的な電力供給が可能となりました。

【共同事業とGX人材の育成の推進】

産学共創ラボ「KIT × NTT-AEスマートエネルギーラボ」では、キャンパスそのものを社会実装型研究開発の拠点として、地域GX(グリーントランスフォーメーション)普及に向けた共同事業とGX人材の育成を目指します。

【キャンパスそのものが最先端のSTEAM教育の教材】

金沢工業大学のメインキャンパスである扇が丘キャンパスは、建築家?大谷幸夫が手掛けた北校地全体が1982年に日本建築学会賞(作品)を受賞しています。1号館は2019年にDOCOMOMO Japanから「日本におけるモダン?ムーブメントの建築226選」に選定され、日本を代表するモダニズム建築として国内外から見学者が訪れています。

さらに2023年11月1日(水)には、世界的な彫刻家?デザイナーである五十嵐威暢氏のアート作品を常設展示する「五十嵐威暢アーカイブ」を北校地?ライブラリーセンター内にオープン。感性教育の拠点として、サイエンスやテクノロジーとともに、人間本来の「見る力」、「感じる力」、「考える力」の涵養を目指します。

カーボンニュートラルとエネルギーレジリエンス、モダニズム建築にアーカイブ。 学生が日々の学びを進めるキャンパスそのものがテクノロジーやアートに触れる最先端のSTEAM教育の場であり教材でもある金沢工業大学。

自由な発想と創造力で未来を切り開く感性豊かなGX人材は、このキャンパスから輩出されると自負しています。

【金沢工業大学のカーボンニュートラルに向けた取り組み】

金沢工業大学が推進するカーボンニュートラルに向けた取り組みの概要については以下のムービーをご覧ください。

【関連リンク】

次世代のエネルギーマネジメントシステムを築き、脱炭素へのロードマップを描く。
金沢工業大学 三亚赌场,香港赌场 電気電子工学科 泉井良夫 教授
eLINK 「CASE STUDY」

金沢工業大学とNTTアノードエナジー、日本初の直流電力融通システムによる 共同事業の開始および産学共創ラボの設立について(2023.11.2)

金沢工業大学研究室ガイド 三亚赌场,香港赌场 電気電子工学科 泉井良夫研究室

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