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「第16期 野々市市民カウンセラー連続講座」を 野々市市役所 ホール椿で10月21日(土)?28日(土)に開催。10年目を迎え、初心に立ち返り、第1期と同じ会場にて実施
金沢工業大学心理科学研究所と野々市市福祉総務課は、10月21日(土)?28日(土)の2週に渡り、野々市市民、野々市市に関係する方々を対象とした「第16期?野々市市民カウンセラー連続講座(以下 本講座)」を野々市市役所ホール椿にて開催しました。本講座は金沢工業大学心理科学研究所と野々市市福祉総務課との協働により、平成26年度以降継続的に実施しているもので、受講者は「周囲の人の話や悩みを聴くコツ(傾聴)」や「難しい相談に際し紹介先となる専門窓口」を学ぶ講座となっています。
当講座は、ちょうど10年目を迎えたこともあり、初心に立ち返って、地道に受講者数を積み上げていくことを再認識し、第1期と同じ会場である、野々市市役所 ホール椿にて実施しました。また、コロナ禍前と同じ受講者数に戻しました。
金沢工業大学大学院臨床心理学専攻の教員4名(大矢寿美子教授、松本圭教授、山上史野准教授、伏島あゆみ准教授)と大学院生10名、野々市市福祉総務課から課長を含めた3名が運営を担いました。また、第16期は、第15期を経験した院生が中心となって、ロールプレイの進行を担当し、院生にとってはより実践的な実習の場となりました。
そして、第16期は、10代~60代までの計24名(市民23名と金沢工業大学学生1名)が当研修を修了し、修了証を受領しました。
「傾聴」とは、コミュニケーションの基礎となるもので、カウンセリングだけでなく普段の生活や仕事、またプロジェクト活動など、人と関わるすべての活動において活用できるスキルです。当講座では「傾聴」に関する心構えを学ぶだけでなく、傾聴スキルを磨くため、実際に聴き手?話し手に分かれて「ロールプレイ」を重点的に行うことを特徴に掲げ、望ましいコミュニケーションのスキルをステップバイステップで学習できるようにしています。
また、班替えによって、毎回、異なる受講者同士でロールプレイを行うため、受講者にとっては異なる立場や年齢層の市民と触れ合う機会にもなっています。特に、普段、地域の方と触れ合うことの少ない学生によっては、世代や分野を超えた交流を深める貴重な経験の場にもなっています。
加えて、日常的な「よいこと」を記録するというウェルビーイング向上のためのワークを通した学びや、相談を受けた際に適切な窓口につなげるため、野々市市の担当者による社会資源情報(こころの悩み、多重債務、子育て?教育、DV、いじめ、自殺対策 等の各種相談窓口等)の紹介を通して、幅広い知識を得ることができます。
更に、前期に引き続き、より理解を深めてもらえるよう、学びの杜ののいち カレード(野々市市立図書館)にある関連蔵書の紹介もしています。
実際に、受講者からは、「コミュニケーションの基本は聴くことからだと感じた。問題解決ではなく共感してもらえるだけで、満足度が高まることを実感できた」、「これまで解決を急ぎがちでしたが、じっくり話を聞くことで、話した本人がスッキリして、頑張る気力を得られることがあることも分かってよかった」、「年齢に関係なく、関心の高さ、意識の高さなど刺激になった。社会資源のことなど、自分にも何かできそうなことがないか考える機会となった」といった感想や意思表明が寄せられ、受講者は「傾聴スキル」にとどまらず、ウェルビーイングや社会貢献に関する意識の高まりを実感できた講座となりました。
また、「民生委員の方も受講したほうがよい」、「もう少し回数が多いとよい」などの声もあり、今後もこれらの意見を取り入れ、より多くの関係者と協働して社会貢献(他者の役に立てる)に繋がる学びの場となるようブラッシュアップしていきます。
野々市市民カウンセラー連続講座のこれまでの活動
本講座(第1期)は、平成26年度に野々市市と金沢工業大学が連携して発足した事業で、「傾聴」についての講座の実施により、傾聴力を身に付けた人材=市民カウンセラーを野々市市内に増やすことで、野々市市をさらに住みよいまちにすることを目的としています。過去は4~5日間に渡る日程で、野々市市庁舎や金沢工業大学で年に2回開催していました。新型コロナ感染症拡大に伴い、令和2年度は中止となりましたが、これを機に令和3年度からは野々市市にぎわいの里ののいち カミーノに会場を移し、アクリル板設置や換気ができ、密にならない等の感染予防が可能な1Fホールにて再開しました。令和4年度はコロナ前と同じ年2回の開催に戻し、そして学びの杜ののいち カレード(野々市市立図書館)研修室といった新たな会場も加え、今回の野々市市役所ホール椿を含め野々市市との更なる関係性を深めています。
第1期から第16期終了までの総修了者数は、これで348名となり、野々市市の総人口の約54,000人に対し約0.6%を占めるに至りました。これからも市民間の自然な援助の活性化や孤立?孤独の予防に貢献できるよう当講座を継続していきます。