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4ヵ月NTT西日本の“社員”となった学生たちがコーオプ教育の成果を発表。大学で学んだデータサイエンスの知識を活かし、問題解決に挑む
「NTT西日本コーオプ教育成果報告会」が、11月28日(月)に開催され、NTTマーケティングアクトProCXでKITコーオプ教育プログラムに参加した学生2名が4ヵ月間の成果を発表しました。
KITコーオプ教育プログラムとは、企業の第一線で活躍する技術者を「実務家教員」として招聘し、学生が実際の業務に従事しながら企業が持つ最先端の技術について実践的に学び、社会と顧客への貢献と課題解決を習得できる本学独自の産学協同プログラムです。金沢工業大学では、NTT西日本の他にも鹿島建設やNECグループ等の企業と連携し、このコーオプ教育プログラムを実施しており、産業界と協力しながらこれからの持続可能な未来の社会を実現するために取り組みを進めています。
今年でKITコーオプ教育プログラム3回目となるNTT西日本には、情報工学専攻博士前期課程1年の陸田駿弥さんと情報工学科4年の増田圭亮さんが8月15日から11月30日までの約4ヵ月間“社員”として勤務しました。このプログラムは、大学で学んだデータサイエンスに関する理論や技術をNTT西日本のビジネスで実践的に活用することにより、社会で求められるデータサイエンティストを養成し、地域社会へ貢献することが狙いです。
NTT西日本で陸田さんと増田さんは、顧客の声や意見を収集?分析して活かす「VOC (voice of customer)分析業務」に携わりました。「VOC分析業務」の中でも、「アナリスト業務」のほか、今年は顧客調査や提案書の作成といった「コンサルタント業務」や新規ビジネスの推進を図る「新領域業務」が新たに加わりました。コンサルタント業務では、コールセンター関連事業などを対象に開催されたイベントに参加。2人は来場者にVOC分析についての説明や紹介を行いました。また、新領域業務では、汎用性の高い機能がついたアプリケーションの開発に取り組みました。
陸田さんと増田さんは成果発表会で、「大学と企業の活用技術の違いについて学べた」「仕事への向き合い方、考え方が変わった」「自分の強みでもある計画力や理解力が活用でき、自信がついた」と報告。約4か月間の業務を通じて2人の成長ぶりを実感する発表会となりました。学生の発表を受け、NTT西日本北陸支店?奥田支店長からは「3年目となり、バージョンアップしたものとなった」「プログラムのできる開発者を今後増やしていきたい」という意見をいただきました。
このように、KITコーオプ教育プログラムでは、学生は実務家教員からの実業務を通じた気づきを得て、自身の強みを伸ばし、社会に根差したデータサイエンティストに向けて成長することができます。
本学は、今後もNTT西日本と連携し、Society5.0をリードするデータサイエンティストの養成を続けて参ります。
コーオプ教育について
コーオプ教育(Cooperative Education、COOP教育)は米国が発祥の産学協同教育です。インターンシップが、企業により策定された職場体験に短期間、無給で参加するのに対し、コーオプ教育ではプログラムそのものを大学が主体となって作成し、学生が企業で実際の業務に長期間従事します。その間の給与も企業により支払われるのも大きな違いです。大学にとっては、実社会の課題を扱った課題発見?解決に学生が取り組むことで、理論と実践の両面を効率的に学べる教育プログラムとなっています。
KITコーオプ教育 | インターンシップ |
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長期間の雇用 | 比較的短期間の就業体験 |
教育主導の正課教育。大学と企業が共同でカリキュラムを策定し、専門に関連した業務に従事する(教員もフォロー) | 企業主導による就業体験。プログラムは受け入れる各企業が策定する。必ずしも学生の専門に関連した業務に限定されない |
原則的に給与を支給 | 原則的に無給 |
大学のカリキュラムの一環として事前学習を共同で実施 | 社会人としての基本を学ぶための体験を得る |
企業と大学が共同で管理運営(協定を締結) | 企業が主体で管理運営 |
金沢工業大学は、世界産学連携教育協会(WACE:World Association for Cooperative Education 本部:アメリカ?ボストン)に加盟しており、「KITコーオプ教育プログラム」は世界標準コーオプ教育(CWIE:Cooperative & Work Integrated Education)に準拠した内容となっています。
世界産学連携教育協会(WACE)は世界52カ国、約1,000の教育機関、企業、団体からなる非営利組織です。グローバル人材育成に向けて、産学連携教育?CWIEの展開?拡大を行う唯一の国際機関です。