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産学連携教育「コーオプ教育」の実践例や各国の研究事例を発表?共有。国際研究大会「WACE The 4th International Research Symposium 2022」をオンライン開催しました。
8月31日(水)から9月2日(金)にかけて、金沢工業大学扇が丘キャンパスをメイン会場として、国際研究大会「WACE The 4th International Research Symposium 2022」をオンライン開催しました。
「International Research Symposium(IRS)」は、WACE(世界産学連携教育協会)が主催する国際研究大会で、世界各国から産官学のリーダーや産学連携教育の専門家が参加し、研究?事例発表や情報?ノウハウ交換、人脈形成を目的として開催されるものです。WACE IRS2022には15ヶ国、79機関からの参加があり、総参加者数は286名(うち対面での参加者数は108名、オンライン参加者数は178名)でした。
8月31日(水)のオープニングでは、ウォータールー大学(カナダ)のNorah McRae氏(WACE事務局長)、Global University SystemsのMaurits van Rooijen氏(WACE Co-Chair)がWACE IRS開催に際しビデオメッセージを送り、金沢工業大学の大澤学長がオープニングスピーチを行いました。続く、基調講演では、一般社団法人日本経済団体連合会 SDGs本部長の池田三知子氏が「Society5.0人材の育成に向けた産学連携の取組み」と題して、基調講演を行いました。講演では、日本の雇用?人事制度の改革に向けた動きや、質の高いインターンシップの普及に向けた活動、産学協働による学生のキャリア形成支援活動、リカレント教育における企業側ニーズと大学側シーズのマッチング、コーオプ教育への期待などが語られました。
研究発表は、3日間に8つのセッションがあり、オンライン上の2会場に分かれて実施されました。全体で52の研究発表が英語で行われました。また、海外の産学連携教育に関する事例紹介「ワールドショーケース」を、8月31日、9月1日にパネルディスカッション形式で実施しました。ネットワーキングセッションでは、参加者同士の交流も行われました。
WACE IRSと併催して実施された「ジャパンプログラム」では、大学?企業が、コーオプ教育の事例研究を通して、これからの未来を担う人材の育成について考えました。本プログラムは、企業と大学それぞれの立場から、果たすべき役割を探るとともに、新しい産学協働の在り方を提案することを目指しました。テーマは、「日本におけるコーオプ教育のこれから ~みらいを担う学生の学びに、大学と企業が果たせること~」で、2大学(金沢工業大学、高知大学)、5企業(三菱電機(株)、北國フィナンシャルホールディングス、北菱電興(株)、西日本電信電話(株)、(株)別川製作所)、1公的支援機関((一社)日欧産業協力センター)が、これまでに実施したコーオプ教育の取り組みなどについて事例紹介を行いました。イノベーションホールをメイン会場とし、オンラインとあわせて実施されましたが、コーオプ教育の具体的な運用方法、コーオプ教育に参加する学生へのフォロー?アドバイスなどについて質問が多くあり、活発な意見交換がなされました。
最終日である9月2日のクロージングプレゼンテーションでは、Best Presentation Awardの表彰の後、Norah McRae氏、大澤学長によるスピーチが行われWACE IRS 2022は幕を閉じました。
WACE IRSを通して、海外で行われているコーオプ教育の先進的な取り組み?事例に触れるとともに、ジャパンプログラムを通して、国内の取り組みの共有、活発な意見交換を実現することができました。今回の開催を通して、金沢工業大学は、日本国内でのコーオプ教育の拡大に引き続き寄与するとともに、産業界と連携し、「KITコーオプ教育プログラム」を含めた、これからの産学協同教育を一層発展させていきます。
WACE IRS 2022ウェブサイト
WACE IRS 2022参加機関?参加者
国 | 参加機関 | 参加機関数 | 参加者数 |
---|---|---|---|
アイルランド | University College Dublin、リムリック大学 | 2 | 2 |
アメリカ | オルバニー大学、シンシナティ大学、ドレクセル大学、ノースウエスト大学 | 4 | 6 |
イギリス | エディンバラネピア大学 | 1 | 2 |
オーストラリア | ウーロンゴン大学、カーティン大学、グリフィス大学、セントラルクイーンズランド大学、チャールズスタート大学、ニューサウスウェールズ大学、フェデレーションユニバーシティオーストラリア、フリンダース大学、マッコーリー大学、モナッシュ大学、ロイヤルメルボルン工科大学 | 11 | 17 |
カナダ | CEWIL、WACE、InStage、ウォータールー大学、キャピラノ大学、セルカーク大学、トロント州立大学、トロント大学、ビクトリア大学、ブリティッシュコロンビア大学、マニトバ大学 | 11 | 29 |
スウェーデン | ウェスト大学 | 1 | 1 |
タイ王国 | スラナリー工科大学 | 1 | 2 |
タジキスタン | University of Central Asia | 1 | 1 |
ドイツ | DHBW (The Duale Hochschule Baden-Württemberg Karlsruhe) | 1 | 1 |
ナミビア | ナミビア科学技術大学 | 1 | 2 |
ニュージー ランド | オークランド工科大学、マッセー大学、ワイカト大学 | 3 | 5 |
ボツワナ | ボソ大学 | 1 | 1 |
ヨルダン | ジャーマンヨルダン大学 | 1 | 1 |
南アフリカ | SETA、The Education Scene (Pty) Ltd、ダーバン工科大学、バール工科大学、ヨハネスブルグ大学 | 5 | 8 |
日本 | (オンライン参加) GEヘルスケア?ジャパン(株)、(株)ILCC、西日本電信電話(株)、(株)UDK、(株)アイ?オー?データ機器、伊藤忠テクノソリューションズ(株)、開志専門職大学、京都産業大学、近畿大学、(株)五井建築研究所、高松機械工業(株)、高知大学、国際高等専門学校、三菱電機(株)、鹿島建設(株)、(株)大気社、池田建設(株)、筑波大学、長岡技術科学大学、東京工科大学、東北大学、日本経済団体連合会、武庫川女子大学、米沢電気工事(株)、(株)別川製作所、北菱電興(株)、北國フィナンシャルホールディングス、明星大学、立命館大学、金沢工業大学 |
30 | 100 |
(対面参加) 日本経済団体連合会、津田駒工業(株)*、三菱電機(株)、北國フィナンシャルホールディングス、北菱電興(株)、高知大学、西日本電信電話(株)、NTTマーケティングアクトProCX*、(株)別川製作所、日欧産業協力センター*、野村證券(株)*、(株)ILCC、(株)太陽テント北陸*、金沢工業大学 *は対面でのみ参加 |
14 (5*) | 108 |
※日本以外の参加者はすべてオンラインでの参加。
WACEについて
WACE(世界産学連携教育協会、本部:カナダ オンタリオ州)は、世界52ヶ国、約1,000の教育機関、企業、団体からなる非営利組織で、教育機関と産業界が協働して行うCWIE(Cooperative and Work-integrated Education)の展開?拡大?ブランディングを行う唯一の国際機関です。産学連携教育は、長年にわたりそれぞれの国の社会?経済のニーズに呼応して様々なモデルが開発?実践され、多様なプログラムに発展してきました。
WACEは、世界各国で実践される多様な産学連携教育プログラムをCWIEと称して、その定義や実績、効果を共有することによって、CWIEプログラムのさらなる推進と質の向上を目指しています。CWIEとは、産業界と高等教育機関が協働して実施する人材育成プログラムで、学修と仕事を統合したコーオプ教育、インターンシップ、国際コーオプ交換留学、サービス?ラーニング等を含む経験教育の総称です。
コーオプ教育と金沢工業大学について
コーオプ教育(Cooperative Education、COOP教育)は米国が発祥の産学協同教育です。インターンシップが、企業により策定された職場体験に短期間?無給で参加するのに対し、コーオプ教育ではプログラムそのものを大学が主体となって作成し、学生が企業で実際の業務に長期間従事します。その間の給与も企業により支払われるのも大きな違いです。大学にとっては、実社会の課題を扱った課題発見?解決に学生が取り組むことで、理論と実践の両面を効率的に学べる教育プログラムとなっています。
金沢工業大学が推進する「KITコーオプ教育プログラム」は、企業の第一線で活躍する技術者を「実務家教員」として招聘し、寄附講座を開講するとともに、学生が企業の実際の業務に従事しながら最先端の技術について実践的に学び、社会と顧客に貢献する価値と行動を理解する、金沢工業大学独自の産学協同プログラムです。産業界との協同によりイノベーションを創出するSociety5.0時代のリーダーを育成するため、WACEの世界標準コーオプ教育「CWIE」にさらに独自性を付与し、これからの産学協同教育のスタンダードとなることをめざしています。