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心理科学科の田中孝治准教授、森川綾香さん、石川健介教授が「人工知能学会」で「研究会優秀賞」を受賞
心理科学科の田中孝治准教授、森川彩香さん(2021年3月卒業生)、石川健介教授が、2021年7月10日に「人工知能学会第92回先進的学習科学と工学研究会(SIG on Advanced Learning Science and Technology: ALST)」において発表した論文が「研究会優秀賞」を受賞しました。
人工知能学会は、人工知能に関する学際的学問研究の促進を目的とする学会であり、会員総数は約5,200名です(2020年3月末現在)(※1)。その研究会に位置するSIG-ALSTは、人間の最も知的な活動の一つである「学習」の促進?支援を研究課題として捉え、人間の学習を主題とした新しい分野を融合的に発展させることを目的とした研究会です(※2)。研究会優秀賞は、各研究会が取り組む研究分野における研究活動の奨励を目的に、当該年度の研究会において発表された研究のなかから、特に優秀な論文が選定されます(※1)。今年度は471件の論文のなかから15件が選出されました。2022年6月22日に産業技術総合研究所およびオンラインで開催された「2021年度人工知能学会表彰式」において表彰が行われました。
受賞理由および受賞論文の概要については、人工知能学会が発刊する学会誌「人工知能」Vol.37, No.5(2022年度9月号)の「特集:2021年度研究会優秀賞受賞論文紹介」において紹介されます。
発表内容
論文題目:コロナ禍の大学におけるピアサポート機会を提供するオンライン心理教育的援助サービス
著者:田中孝治?森川綾香?石川健介
発表概要:
コロナ禍においては、学校教育サービスにおける価値共創が破壊されることを回避する必要がある。筆者らの所属する学科では、心理教育援助サービスとして、学生自身が主体となってサービスを提供するオンラインピアサポートサービスが実施された。本研究では、学生と教員との心理教育的援助サービスとしての価値共創を明らかにするために、ピアサポートサービスを運営した学生を対象とした質的調査を実施した。質的データ分析手法であるSCATの結果、心理教育的援助サービスの受容とピアサポートサービスの提供が、義務感、責任感、貢献感を獲得し、それが自己効力感による成長につながっていることが示された。
なお、本研究は、第一著者の指導のもと、第二著者のプロジェクトデザインⅢ(卒業論文研究)として実施した実験のデータを再分析したものである。
※1:一般社団法人人工知能学会WEBサイト
※2:先進的学習科学と工学研究会(ALST)WEBサイト