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脳波を利用したオンライン講演の感情フィードバックの研究が評価。大学院情報工学専攻の常田夕貴さんらがDPSWS2021で「優秀論文賞」を受賞
大学院工学研究科情報工学専攻博士前期課程1年の常田夕貴さん(中沢実研究室)らの論文が、10月25日(月) ? 27日(水)に開催された情報処理学会主催の「第29回 マルチ三亚赌场,香港赌场通信と分散処理ワークショップ (DPSWS2021)」で「優秀論文賞」を受賞しました。
DPSWSにおいて、中沢研究室が受賞をするのは、2017年から5年連続となります。
2017年:優秀デモンストレーション賞
2018年:最優秀論文賞、優秀デモンストレーション賞
2019年:奨励賞、優秀プレゼンテーション賞
2020年:優秀論文賞、優秀デモンストレーション賞、優秀ポスター賞、優秀プレゼンテーション賞x2
2021年:優秀論文賞
論文名:脳波を利用したオンライン講演の感情フィードバック
著者:常田友貴、中沢実 (金沢工業大学)
論文概要:
昨今、三亚赌场,香港赌场感染症の影響により、オンライン上でコミュニケーションを行う機会が多くなった。しかし、オンライン上でのコミュニケーション機能の不足が問題になっている。特に、プレゼンテーションのような相互の親密なコミュニケーションが必要になる場合では、満足度低下の要因となっている。このような問題を解決するために脳波を用いたオンライン講演の感情フィードバック手法を考案する。しかし、現状オンライン上の相互コミュニケーションを対象としたデータセットが存在せず、脳波を利用した感情分類データセットにおいても分類する感情の種類が少なく、作成したモデルから脳波特性の分析まで行っている研究は少ない。そこで本研究では、TED視聴時の脳波を「通常(Neutral)」、「困惑(Confused)」、「面白い(Interested)」、「退屈(Bored)」という 4つの感情で評価したデータセットを作成 し、XGBoost を利用して感情分類を行った。また、AI モデルを説明することができる SHAPを利用して 今回の研究で作成した XGBoost モデルから脳波特徴を分析した。その結果、感情分類分類では 72.47 %の精度を得ることができた。さらに、SHAP を利用した分析では全てのクラスにおいて前頭葉周辺から取得した脳波の貢献度が高く、最も貢献度が高い額右側面の脳波(F4)に関しては「困惑(Confused)」クラスで脳波の周波数帯と貢献度が正の相関があり、「退屈(Bored)」クラスで負の相関があるということがわかった。
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