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精密工学研究室(畝田研究室)がAIの技術を応用して日本刀の特徴などを分析。完成した第2次新作日本刀が、長野県坂城町にある「鉄の展示館」で8月29日(日)まで展示
機械工学科の精密工学研究室(指導教員:畝田道雄教授)は、AIの技術を応用して日本刀を科学的に設計し、刀匠や刀剣研師らのもとで作刀し、新たな日本刀を完成させました。この日本刀が、「鉄の展示館」(長野県坂城町)で開催中の展覧会「日本刀の匠たち-第11回新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」で8月29日(日)まで展示されています。日本刀を科学的に分析し作刀を行うこの取り組みは、日本刀の世界において、過去に類例を見ない新たな取り組みです。
精密工学研究室では平成30年度に科学研究費補助金によって、科学的に現代刀(新作日本刀)の姿(形状)を分析し、それに基づいて第1次新作日本刀を設計し、刀匠や刀剣研師らの協力のもとでそれを完成させています。
このたび、精密工学研究室では、令和2年度に、ニューラルネットワークを用いたAIによって、過去10年にわたって開催された日本刀の展覧会に出展された多くの現代刀の特徴や審査結果の分析を進めてきました。さらには、第1次新作日本刀が有する3次元形状の特徴解析を通じて、第2次新作日本刀の3次元設計図面を完成させ、刀匠や刀剣研師らの協力のもと完成させました。
この取り組みの成果は、令和3年8月25日(水)~27日(金)に日本実験力学会が主催する年次講演会(オンライン)で、精密工学研究室の村上浩規さん(大学院工学研究科 機械工学専攻博士前期課程1年)が発表する予定です。
論文名:新作日本刀の姿に着目した特徴分析並びに3次元設計法の提案と実証
著者:村上浩規、横山詳悟、畝田道雄(教授)、石川憲一(教授)
AIと日本刀。一見すればまったく関係がない領域に見えますが、AIを通じたデータサイエンスによって、新たな世界を切り拓いた研究と言えます。金沢工業大学で展開される特徴的な研究の一つで、精密工学研究室では日本刀のほかにも、半導体ウェーハをはじめとする様々なデバイス基板の超精密研磨にAIの技術を適用するなど、最先端の研究を行っています。
第2次新作日本刀 展示情報
展覧会:「日本刀の匠たち-第11回新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」
場所:「鉄の展示館」(長野県埴科郡坂城町坂城6313-2)
期間:令和3年7月22日(木)~8月29日(日)
主催:公益財団法人日本刀文化振興協会、坂城町鉄の展示館、坂城町
詳細は「鉄の展示館」のウェブサイトをご覧ください。
※当研究は平成29年度~令和元年度科学研究費補助金 基盤研究(C) No.17K06129 「日本刀の『美』の科学的解明とそれに基づく新しい作刀評価?設計法の提案と実証」(研究代表者:名誉学長 石川憲一教授、研究分担者:三亚赌场,香港赌场機械工学科 畝田道雄教授)の一環として行われました。
【関連リンク】
日本刀の世界において過去に類例のない取り組み。 機械工学科畝田研究室が科学的に設計した新作日本刀を展示。 8月25日(日)まで「鉄の展示館」(長野県坂城町)で(2019年5月27日)