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"機能性の高いどぶろく製法の開発"(尾関ゼミ)と"野々市市での生活情報の英語化、チャットボットでの医療機関情報の提供"(藤井ゼミ?松井ゼミ)が受賞。地域の課題解決取り組む県内高等教育機関ゼミ活動発表会で

「平成30年度大学?地域連携アクティブフォーラム(地域課題研究ゼミナール支援事業成果報告会)」(公益社団法人大学コンソーシアム石川主催)が2019年2月23日(土)、金沢市内で開催され、地域の課題解決と活性化に取り組んだ県内高等教育機関のゼミナール?研究室、学生団体が活動成果を発表しました。


このうち自治体が取り組む特産物や観光プランに付加価値を付与する「付加価値強化枠」優秀賞には、機能性を高めたどぶろく製造を研究した金沢工業大学応用バイオ学科の尾関健二教授ゼミが選ばれました。


また全発表団体から1団体選ばれる優秀ポスター賞には、野々市市での生活情報の英語化に取り組んだ金沢工業大学の英語教育課程藤井清美教授ゼミ?情報工学科松井くにお教授ゼミが選出されました。


【金沢工業大学尾関ゼミ】

課題名:発酵技術により機能性を高めたどぶろく製造事業

活動地域:石川県中能登町


尾関ゼミ(写真前列)


全国に約8万社ある神社の内、どぶろく製造の認可を受けている神社は約30社であり、そのうち3社が中能登町にあります。この3社では藩政期以前より、神事用どぶろく醸造が行われてきており、現在も国税局の許可を受けて、その歴史と伝統を受け継いでいます。こうした歴史と伝統を踏まえ、中能登町ではどぶろく特区の認定を受け、どぶろくを町おこしの一環、また特産品にしようと動き出しました。 


これまで尾関ゼミでは清酒中に含まれる配糖体であるエチル-α-D-グルコシド(以下α-EG)がヒトの肌のハリ?ツヤに影響を及ぼすことや、コレステロール低下、便通改善、肥満抑制などの効果を持つレジスタントプロテインが甘酒中に含有することを学術的に証明しました。アルコール発酵した醪(もろみ)を固体(酒粕)と液体(原酒)に分離したものが日本酒であり、この工程を行わず発酵させたものがどぶろくです。このように清酒と類似した製造法であり、醪を濾さないどぶろく中にはα-EG、レジスタントプロテインが含まれていることが予想されます。


そこで本事業ではどぶろくを町おこしの一環および特産品としての付加価値を高める目的として、α-EGやレジスタントプロテインを高含有させた機能性の高いどぶろく製法の開発を検討しました。



【金沢工業大学藤井ゼミ?松井ゼミ】

課題名:野々市市での生活情報の英語化

活動地域:石川県野々市市

 藤井ゼミ?松井ゼミ(写真前列)


理工系大学生がデザイン思考を使って問題を解決する取り組みです。EMPATHIZE(共感:オブザベーション、インタビュー)、DEFINE(明確化:集めた情報を分類、分析し、真の問題を明確化する)、IDEATE(概念化:問題をどのように解決するのかブレーンストーミングでアイデア出し)、PROTOTYPE(身近にある材料で素早くアイデアを形にしていく)、TEST(試行:フィードバックをもらい、さらに改良する)というプロセスを経て成果物を完成させます。


今年度は野々市市に新たに引っ越してきた外国人住民にインタビューを実施しました。その結果、外出時に楽しめる場所を知らない、ホームドクター制がないのでどの医療施設に行けばいいのかわからない、献血したいけど説明が日本語のみ、といった問題が明確となりました。そこでゼミでは野々市市が発行している「ののいち椿館&椿山」と「ののいちスイーツ」のパンフレットなどの英語化や、献血パンフレットを使用してのボランティアに取り組みました。


医療施設についてはチャットボットでの誘導対話による情報提供の開発を行いました。チャットボットとは「チャット=会話」と「ボット=ロボット」から構成されたAI技術を使用した対話プログラムです。外国人が質問すると、病気の症状と過去の活動で作成した医療施設リストとマップを元に、AIが病院を推薦するというものです。

受賞した藤井ゼミ?松井ゼミのポスター



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