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【リポート】社会性のある課題に研究室の枠を超えて取り組む新しい形の研究室ー「クラスター研究室」発表会より

クラスター研究室発表会より


クラスター研究室発表会が2019年2月15日(金)に金沢工業大学扇が丘キャンパスChallenge Labで開催されました。


クラスター研究室は金沢工業大学の新しい研究室の形態です。MIT Media Labをヒントに開設したChallenge Labを拠点に、社会性のある課題に研究室の枠を超えて学生が集まり、イノベーションの創出に挑戦しています。2月15日の発表会では「石橋の科学的解明と石文化の継承方策の提案」「椅子再生工場を支える技術の提案と空間設計」「共に楽しめるチェアスキーの設計と開発」という3つのプロジェクトについて10件の研究発表が学生により行われました。

その中から4件の研究について写真でご紹介します。


石橋の3Dモデリング。写真を複数集めることで自動的に生成


「石橋の三次元モデルの試作と構造解析」では日本遺産に認定されている小松市のアーチ型石橋を題材とした構造解析について発表が行われました。写真は石橋が崩れてしまった時でも仮想空間上で橋の様子を確認し、新たな架設や修繕ができるようデジタルデータとして3Dモデリングを試作したものです。写真を複数枚集めることで、自動的に立体的モデルを生成できます。



「椅子の上張り生地を楽に剥がす工具の実用化に関する検討」では椅子からステープルを抜く工具について発表を行いました。壊れた椅子を修理する上でステープルを抜く作業は特に職人の慣れや経験を必要とします。これを半自動化させるモノを作ることで効率化が期待できます。クラスター研究室ではこれまで超音波振動を利用した工具を提案していました。超音波回路を起動させ、工具の先端に振動を伝えることで3[kgf]以下の力でステープルを抜くことができるようになりましたが、回路が大きいことや熱をもつこと、装置が大きいなどの課題が残されていました。


今回はこの解決策として回路の縮小化や熱対策、装置の小型化などについて発表が行われました。また発表後には超音波振動工具を使った体験会も行われ、かなりの盛り上がりを見せました。

超音波振動工具を使ってステープルを抜く体験会も行われた


「Furniture Laboratory-繕い、創る工場-」では、さまざまな世代?分野の人が楽しく働くことができる場所、地域に活気を与え続ける拠点となる「地域とシェアするモノづくり工場」としての椅子再生工場を提案しました。

「家具再生」という一つのモノづくり活動が地域のハブとなる


「VRを用いたチェアスキーシミュレータの開発と評価」では健常者、障がい者問わず、チェアスキーを気軽に楽しんでもらうために学生が開発した日本初のVR型チェアスキー?シミュレータについて発表が行われました。VR技術を活用し、台座も連動して動くもので、チェアスキーがリアルに楽しめます。


トリノ冬季パラリンピック アルペンスキー日本代表で日本チェアスキー協会理事の野島弘氏に装置の評価をしていただきました。

試乗する野島弘氏 



野島氏からの要望や提案を熱心にメモする




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