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石川発の炭素繊維複合材が耐震補強材として日本初のJIS規格(日本工業規格)化へ。
金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)と小松精練株式会社が共同開発
金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(以下「ICC」)が文部科学省の「革新的イノベーション創出プログラム」(COIプログラム)中核拠点として、小松精練株式会社(本社 石川県能美市、代表取締役社長 池田 哲夫) と共同で開発した熱可塑性炭素繊維複合材が、耐震補強材としてJIS規格(日本工業規格)に制定される見込みとなりました。※
炭素繊維関連製品のJIS規格化は今回が日本で初めて。また平成25年度に開始された文部科学省COIプログラムとしても、初めてのJIS規格化となります。
ICCは、文部科学省が企業だけでは実現できない革新的なイノベーションを産学連携で実現するために全国で18か所選定した中核拠点の一つです。革新的な炭素繊維複合材を開発し、インフラへの社会実装を目指しています。
ICCと小松精練株式会社がこのたび開発した熱可塑性炭素繊維複合材(製品名「カボコーマ?ストランドロッド」)は、日本の伝統産業である組紐の技術と、現代の炭素繊維の技術を融合した強さとしなやかさを有するロープ状の耐震補強材です。筋ブレース(筋交い)に比べ、軽量で輸送コストを大幅に減らせる、長さに制限がなく、柔軟性があり、配置の自由度が高い、強度が高く、錆びず結露もしないため耐久性に優れる、などの利点があります。
JIS規格化されることにより正式に耐震工法として認定を得られれば、急速に普及が進むものと期待されています。
※ 経済産業省の「新市場創造型標準化制度」の対象として認定されたことに伴い、1年後を目処にJIS規格に制定される見込みです。
【関連サイト】
金沢工業大学 COI研究推進機構