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大学院2年の守本祐生さんが平成25年電気学会全国大会で優秀論文発表賞を受賞

大学院電気電子工学専攻博士前期課程2年の守本祐生さん(電気電子工学科 大澤直樹研究室)が、2013年3月20日(水)から22日(金)まで名古屋大学で開催された平成25年電気学会全国大会(創立125周年記念大会)で優秀論文発表賞を受賞しました。(授賞式は平成26年3月19日に開催)

 

優秀論文発表賞は、質の高い論文を発表した若手技術者(35才程度以下)をセッション座長が推薦し、論文委員会での投票を経て選定される栄誉ある賞です。

 

[守本さんの研究の概要]

守本さんが受賞した論文題目は「大気圧タウンゼント放電を用いた空気原料オゾナイザにおけるオゾンガス中の副生成物」でした。

 

オゾンは強力な酸化力を有し、大気中では酸素に戻るという性質があります。また殺菌?脱臭?脱色作用があり、公共施設の空気環境の浄化や下水処理などに応用されています。

 

オゾンの生成方法には、誘電体バリア放電法(DBD法)、紫外線照射法、水の電気分解法などがあり、効率の観点から誘電体バリア放電法を用いるのが主流となっています。

 

誘電体バリア放電法によるオゾン生成では、空気が使用される場合がありますが、自然分解できないNOx(窒素酸化物)も生成されます。このため、病院やホテルなどの空調施設には空気を直接原料として使用するオゾン発生装置は実用化されていません。

 

一方、空気を原料とするオゾン生成装置でNOxの発生を抑制するには、電気エネルギーの低い誘電体バリア放電法の利用が有効であると考えられています。

 

このため、守本さんら研究チームは、2009年に大澤研究室で成功した「大気圧タウンゼント放電」(APTD:Atmospheric Pressure Townsend Discharge。大気圧下の空気や酸素中で一様に発光するバリア放電)が従来のバリア放電よりも電気エネルギーが低いことに着目し、「大気圧タウンゼント放電」をオゾン発生装置に応用することを考えました。

 

そして従来のバリア放電を用いた場合と、大気圧タウンゼント放電を利用した場合のNOxの発生濃度の違いをフーリエ変換型赤外分光 (FT-IR) で調べた結果、従来のバリア放電では放電電力を変えてオゾン濃度を変化させるとNOxの濃度も高くなったのに対して、大気圧タウンゼント放電を用いたオゾン発生装置では、オゾン濃度を高くしてもNOxの濃度はほとんど高くならないことがわかり、大気圧タウンゼント放電を用いたオゾン発生装置の有効性を実証しました。

 

この研究成果は病院やホテルなどの空調施設むけの、空気を直接原料とした低コストのオゾン発生装置の実用化に道を拓くものとして期待されています。

 

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