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金沢工業大学大学院生が日本建築学会設計競技(全国)で最優秀賞受賞

金沢工業大学大学院建築学専攻博士前期課程2年の神田謙匠さん(富山県出身)と吉田知剛さん(新潟県出身)の2名による作品「解体のレトリック -町家古材の活用 金沢モデル-」が2012年度「日本建築学会設計競技」全国審査で最優秀賞を受賞しました。

金沢工業大学学生の当設計競技最優秀賞受賞は初めて。また指導教員の森俊偉教授は「日本建築学会北陸支部からの最優秀賞受賞も今回が初めてではないか」と語っています。

 

「日本建築学会設計競技」は大学院生や20?30代の若手を対象としたコンペで、日本の主だった建築家も過去受賞している約60年間継続中の歴史のあるコンペとして知られています。

2012年度の課題は「あたりまえのまち/かけがえのないもの」。全国審査は各支部に応募された364作品の中から選ばれた支部入選83作品を対象に行われました。

 

最優秀作品に選ばれた「解体のレトリック -町家古材の活用 金沢モデル-」は、町家の保存?活用に向けた助成を目的とし、町家解体の際に排出されている古材を活用することをテーマにしています。

 

金沢市では、町家の減少による文化的都市景観の喪失が深刻化しています。この現状に対し条例の制定や各種助成制度が実施されていますが、町家の年間解体数は約270戸に上る一方、保存?活用される町家は約30戸程度と改善には至っていません。その背景には、町家と現代のライフスタイルの齟齬、維持?保全への経済的問題、中心市街地の居住人口の減少、地権所有者への経済的な還元率の低さ等、多元的な問題があります。

 

2人は、これらの問題の解決は既存の条例や助成制度の経済的支援だけでは難しいと考え、解体され続けている現実を受容した上で、町家解体後の跡地に古材利用を促進する古材バンク兼製材所や古材を再利用した共同住宅を計画。町家解体の現状の可視化と、町家の価値の啓蒙、まちなか居住の促進などの「市民への発信」と、古材販売と家賃収入による地権者や金沢市への「経済的還元」により、町家の保存?活用に向けた持続的なシステムの構築を提案しました。

    

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