カリキュラムガイド 一覧
[3] 大学院のカリキュラム
工学研究科 > 環境土木工学専攻
教育目標
自然環境と調和を図りながら、国内外の社会基盤を効率的に計画?設計?施工し、それらを適切に維持管理することができ、整備効果についても評価することができる総合的な実践的能力を持った高度な環境土木技術者?研究者を育成する。さらに社会状況の変化を的確に判断し、国民に安全?安心で快適な社会生活を提供するために、自ら考え行動する高度な環境土木技術者?研究者としての人間力も養成する。
カリキュラムフロー
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博士前期課程(修士課程)
専修科目 科目概要
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構造物設計工学研究
国内外の各種社会基盤を効率的?合理的に設計?施工?保全することは、極めて重要な社会的要求である。そのために、各種の材料を用いて建設された構造物について、それらの合理的な設計法、施工法および維持管理法について最新の知見を学び、高度な構造物設計に対応できる高度専門技術者?研究者の育成を目指す。
目標●自らの研究目標を策定し、目標に向かって計画を遂行できる。国内外の学会、シンポジウム、国際会議に発表できる。先端的な論文を調査?収集し、熟読することにより自らの研究の参考にできる。 -
水環境工学研究
環境土木工学の中の、水に関する分野、特に、流体力学、水理学、水文学、河川工学、海岸工学、港湾工学、環境工学における、流出解析、洪水予測、砕波の力学、海浜変形、環境変化予測、環境影響評価について、いままでの研究者とは異なるアイデアに基づいて、その現象を力学的に解明し、それを実験や計算値と比較する。
目標●主に、英文の文献が読むことができる。流体現象を表す力学方程式を導きかつ、理解することができる。自分の考えを日本文にまとめることができる。 -
情報計画研究
インターネットが浸透し、いつでも、どこでも、だれでも、どんなものからでも情報社会に接続できるユビキタス社会が到来している。現実の都市空間を三次元もしくは時系列を加えた四次元情報として構築することは、環境モニタリング、災害復旧、文化財保護、都市開発計画などに有用に活用できる。そのために、空間情報に関する最新のITやICTを駆使し、三次元空間を含む高度な地理空間情報の取得?作成?利活用に関する技術に関して学び、高度な情報計画に対応できる高度専門技術者?研究者の育成を目指す。
目標●自らの研究目標を策定し、目標に向かって計画を遂行できる。国内外の学会、シンポジウム、国際会議において発表できる。空間情報工学に関する英文論文を読み日本語でプレゼンテーションができる。先端的な論文を調査?収集し熟読することにより自らの研究の参考にできる。 -
建設マネジメント研究
建設事業の効率化が求められる中、国内外の社会基盤整備を効率的に計画?設計?施工?維持管理するための科目である。そのために、建設事業の各段階における問題点を把握し、それらに対する解決策を研究する。
目標●さまざまな社会基盤を効率的に計画?設計?施工さらには維持管理するための最新かつ高度な技術を創造できる。
関係科目 科目概要
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環境土木のフロンティア
環境および土木分野は、社会の様々な問題を直接的に扱う分野であり、複数の専門性を組みあわせて問題解決をはかることが多い。また,国際化やICT技術の進化が進む一方で、温暖化や少子高齢化など、新たな問題が発生し、社会を取り巻く環境は日々変化している。そのため、社会の問題と相対する土木技術者は、地球や社会の最新の情報に精通し、かつ先端的な技術を幅広く理解して、直面する問題の実効的な解決方法を導き出し、実行することが求められる。そこで本科目では、環境土木工学に関わる様々な社会問題の最新状況とともに、幅広い分野で構成される環境土木工学の各分野における、最先端の技術開発の動向について学ぶ。
目標●環境土木の各分野の最先端の技術開発状況が理解できる。環境土木工学の分野構成と他分野との関わりが理解できる。様々な社会問題における土木技術者の役割が理解できる。 -
Advanced civil engineering
Civil engineering deals with various type of problems such as mega-disaster, transportation, energy, ecology, and so on. Therefore, civil engineers should have wide knowledge to solve these problems. This course aims to provide state of the art technologies in civil engineering field to students. This course covers various fields such as surveying, remote sensing, underground space technologies, coastal engineering, geotechniqual engineering, material engineering and construction management. By introducing brand new information from various field, students will bring up the picture of future in civil engineering field. This course will help students to find what to do and how to do as a civil engineer in future.
目標●Students can understand state of the art technologies in civil engineering field. Students can conceive the solution of problems in civil engineering field. Students can have a picture of future in civil engineering field. -
構造力学特論
現代の構造設計ではコンピュータの使用を前提としたマトリクス構造解析が使われている。そこで先ず、トラス構造を対象として、マトリクス構造解析を学ぶ。つづいて構造物の弾性変形として、仕事、ひずみエネルギー、仮想仕事の原理、カスティリアノの定理などを学習する。そして、仮想仕事の原理、カスティリアノの定理を用いたマトリクス構造解析の数値解法を学習する。
目標●トラス構造のマトリクス解析を説明できる。仮想仕事の原理、カスティリアノの定理に基づくマトリクス構造解析の数値解法を説明できる。 -
地盤工学特論
構造物に作用する地震力は,動的で、しかもランダムな波形である.このように時間的に複雑に変動する外力に対する構造物への入力波となる地盤の応答について理解できる.特に,断層破壊から地震動伝播,地盤応答,構造物応答までの一連の関係について総合的に学び計算できる.また、耐震設計を行なう上で重要な地盤振動について基本事項を理解し,現在の設計法の内容と課題について説明できる.
Some calculation methods against estimation of ground motion subjected to random seismic motion are learned in this class.
目標●振動問題の初歩的な解析手法のうち,直接積分法とフーリエ解析を用いた方法を理解し,斜面安定や崩壊距離を含む地盤の多自由度性を考慮した解析がコンピュータを用いて計算できるだけでなく,その適用限界について理解できる.また,各種の振動指標の特徴を理解して使用できる.
Aim: Student should be understood basic computing method of direct integration method and Fourier analysis considering multi-freedom in ground layers, and be able to calculate slope stability and collapse distance at earthquake by simple method. Additionally, Students understand the limitation of above methods and features of several seismic index. -
建設材料学特論
環境や施工条件を考慮して、土木構造物の適切な設計?施工?維持管理ができるようになるために、材料科学および施工に関する高度な専門的な知識を習得する。具体的には、セメントコンクリート系材料とアスファルト舗装に関する材料を中心に、物理?化学的な特徴と、品質確保に必要なポイントについて学ぶ。
目標●種々の建設材料の特徴を理解したうえで、実構造物の設計?施工?維持管理に適用?応用できる。 -
水環境特論
海や川には多様な水の運動がある。水の運動を管理して、自然環境と共存する水空間を創出することについて学ぶ。これは、単に魚礁の設置方法を学ぶというようなことではない。自然環境と生物の生息環境を安定化させ、かつ、持続性のある水空間の開発を可能にする方策を学ぶことである。講義では海岸工学、河川工学、数値流体力学、生物学などの多岐にわたる分野について理解し、水環境に関連した社会基盤施設と自然環境の調和について学習する。
目標●水の運動と数値モデルとの関係を説明できる。水の運動から自然環境や社会基盤施設を防護するための方策を説明できる。海や川での生物の生息環境を安定化させるための指標や方策が説明できる。水空間に社会基盤施設を設置した場合に、施設が周辺環境に与える影響を理解できる。 -
環境土木工学統合特論Ⅰ
我が国においては、多くの土木構造物が供用されており、豊かな国土を形成している。しかしながら、建設から既に 40~ 50 年間以上が経過する構造物も増えており、“ 材料劣化 ” が顕在化している。このような背景を踏まえ国土交通省では、鉄筋コンクリート構造物の「塩害」と「アルカリシリカ骨材反応」および鋼構造物の「疲労」を三大損傷と位置づけ、重点的な対策を検討している。したがって、今後の日本では、新設構造物の建設のみならず、既設構造物の維持管理も、環境土木技術者の重要な役目である。本科目では、土木構造物の経年劣化に対するメンテナンス技術を理解し、安全で安心な市民生活を守る方法を考える。また、既存構造物は本より、新規の土木構造物を資産(アセット)として捉えて管理(マネジメント)するアセットマネジメントの考え方を理解する。
目標●鉄筋コンクリート構造物における劣化(例えば、塩害など)について、実験を通じて現象を理解し、メカニズムを説明できる。また、その実態を既存構造物で調査し、劣化状態を診断できる。さらに、演習を通して、合理的な対策法を選択できる。 -
環境土木工学統合特論Ⅱ
前半は地理情報システム(GIS)を用いて二次元または三次元の電子地図上に位置情報を付加し表示する手法について演習する。また、GNSSで取得したデータを地理院地図上に表示する。使用するGISソフトウェアは学部の測量学Ⅱおよび環境土木専門実験?演習Ⅲで使用したソフトウェアを用いる予定であるため、事前の復習が必要となる。
後半は石川県の砂浜海岸の汀線形状および砂の粒度分布特性の観測および計測を行う。汀線形状はGPS測量によって得られたデータを用いて潮位補正やローカル座標変換の学習を行い、過去のデータとの比較を行って、海岸工学的な観点から砂浜の変化を考察する。
目標●地理情報システム(GIS)で用いるラスターデータ?ベクターデータについて説明できる。GNSSの概要およびデータ取得方法と電子地図上への表示方法について説明できる。地理院地図など電子地図データに実験データを重畳して説明できる。
実測と演習を通して、海岸侵食および砂浜の変動についての基礎知識を養う。 -
環境土木工学統合特論Ⅲ
東南アジアなどの開発途上国では、各種の土木構造物が必要とされている。そのため、日本政府は開発途上国に対してODAを通してさまざまな大規模構造物の建設事業を行っており、国際貢献に寄与している。海外で行われている建設プロジェクトの視察、ケーススタディを通して、国際開発の実際を経験する。国際開発に関する課題について考察しその結果をプレゼンテーションする。
目標●日本の建設会社が海外で構造物を建設する際の特徴を理解できる。発展途上国における建設現場を視察し、使用機材や工期?工区などのハード環境を確認するとともに、複数国出身者が共同で作業するために心掛ける異文化交流などのソフト環境を認識できる。日本国内と海外の建設段階における実施方法の違いを説明できる。 -
環境土木工学統合特論Ⅳ
海外からの留学生に対し、日本の地理的?環境的な条件下における、インフラストラクチャーの建設や事業の特色と考え方について、代表的な構造物の視察を通じ学ぶ。併せて、類似分野における自国のインフラについて調査を行い比較する事で、共通点や相違点を考察し、インフラの整備や維持管理における重要点について学ぶ。また、日本の自然?文化的な地域資源に基づく国際観光事業と地域活性化の事例を視察し、自国の持続可能な地域のZ開発とマネジメントのあり方を議論する。
目標●国や地域の環境条件に応じたインフラストラクチャーの整備や、観光地域計画について、具体例を通じ日本の考え方を理解し、自国との違いを説明することができる。自国での国土開発や発展に貢献できるアイディアを考案しつつ、視察の結果をプレゼンテーションする。 -
コーオププログラム
企業等で実際の技術的課題を責任ある技術者等と一緒に解決する体験を通して、
(1)各専門分野における実践的なプロジェクトデザイン能力を養う。
(2)技術および技術者に対する社会のニーズを知り、大学院修士課程(博士前期課程)における学習の意義を認識する。
目標●1. 専門分野における実践的な課題に対し、受入企業等の担当者と協力して解決策を検討できる。2. 専門分野における実践的な課題に対するプロジェクトデザインの過程と結果を報告できる。3. 技術者としての自覚を持って、社会のニーズに対応できる。 -
コーオププロジェクト
企業等で実際の技術的課題を責任ある技術者等と一緒に解決する体験を通して、
(1)各専門分野における実践的なプロジェクトデザイン能力を養う。
(2)技術および技術者に対する社会のニーズを知り、大学院修士課程(博士前期課程)における学習の意義を認識する。
目標●1. 専門分野における実践的な課題に対し、受入企業等の担当者と協力して解決策を検討できる。2. 専門分野における実践的な課題に対するプロジェクトデザインの過程と結果を報告できる。3. 技術者としての自覚を持って、社会のニーズに対応できる。 -
環境土木工学専攻特別講義Ⅰ
環境と共生する社会基盤の建設システムに関する企画?調査?設計および維持管理に関する最先端技術の動向に関する講義を行う。
目標●環境土木工学関連分野の先端技術の内容と動向について説明できる。 -
環境土木工学専攻特別講義Ⅱ
自然環境の保全と活用を考慮した社会基盤の持続的な開発を可能にする最先端技術の動向に関する講義を行う。
目標●環境土木工学関連分野の先端技術の内容と動向について説明できる。 -
環境土木工学専攻特別講義Ⅲ
環境を考慮した施工管理技術、構造物の適切な維持管理技術および社会基盤設備の将来計画に関する最先端技術の動向に関する講義を行う。
目標●環境土木工学関連分野の先端技術の内容と動向について説明できる。
博士後期課程
特殊研究 科目概要
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構造物設計工学特殊研究
国内外の各種社会基盤の設計?施工?保全を効率的に進めるため、構造工学?地盤工学に関するより高度な構造物設計に対応できる高度専門技術者?研究者の育成を目指す。そのために、各種材料を用いた構造物の合理的な設計手法を学ぶとともに、その施工法や適切な保全方法についても学ぶ。これらは、専修科目である構造物設計工学研究を修得した上での高度な研究となる。
目標●自らの研究目標を策定し、博士論文の完成に向かって行動できる。国内外の学会、シンポジウム、国際会議に発表するとともに、査読付き論文を発表できる。先端的な論文を調査?収集し、熟読することにより博士論文に独創的なアイデアとして活用することができる。 -
水環境工学特集研究
環境土木工学の中の水に関する分野、特に流体力学、水理学、水文学、河川工学、海岸工学、港湾工学、環境工学における、流出解析、洪水予測、砕波の力学、海浜変形、環境変化予測、環境影響評価について、いままでの研究者が考えつかなかったアイデアに基づいて、その現象を力学的に解明し、それを実験や計算値と比較する。これらは、非線形偏微分方程式であるので、線形偏微分方程式はもちろんのこと、これらを解くことに習熟しなければならない。したがって、学生が主体となりすべてを遂行する。
目標●主に、英文の文献が自由に読むことができる。流体現象を表す力学方程式を導きかつ、解くことができる。自分の考えを英文にまとめることができる。新しい研究のアイデアを自分で引き出すことができる。 -
情報計画特殊研究
安心?安全?快適な生活を送ることができる社会を構築するため、空間情報をキーワードとして、より高度な地理空間情報社会の構築?更新に対応できる高度専門技術者?研究者の育成を目指す。そのために、ITおよびICTを駆使した近未来型ユビキタス社会の創生に関する技術を身につける。また、位置情報と時間をコアとした二次元、三次元および時間軸を加えた四次元の地形および建物デジタルデータを作成し、効率的な社会基盤の構築と維持およびリアルタイム更新手法について学ぶ。これらは、専修科目である情報計画研究を修得した上での高度な研究となる。
目標●自らの研究目標を策定し、博士論文の完成に向かって行動できる。国内外の学会、シンポジウム、国際会議において発表するとともに査読付き論文に登載される。空間情報工学に関する英文論文を読み英語でプレゼンテーションができる。 -
建設マネジメント特殊研究
国内外の各種社会基盤を効率的かつ合理的に計画?設計?施工そして維持管理するための科目である。限られた予算で適切に社会基盤を整備する手法や各種の材料を用いて建設される構造物の合理的な設計法、施工法および維持管理法について研究する。
目標●さまざまな社会基盤を効率的に計画?設計?施工さらには維持管理するための最先端かつ極めて高度な技術を創造できる。
主要科目 科目概要
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企業価値とイノベーション
高度専門技術者や研究者にとって、自らが取り組んでいる研究の置かれている状況を客観的に分析すること、さらなる研究価値を向上させることは重要である。このとき、社会的要請、社会が受ける研究成果によって得られる価値、競合する研究との差別化などを合理的に理解?整理すること、あるいはそれらが考慮された研究を行うことが必要である。さらに企業にあっては国際的な標準化を視野に入れた開発や知財による研究開発の保護などを十分考慮して企業価値を高めることが必須である。本科目は、これらのことを具体的な事例を交えて、企業価値の創造やイノベーションの創出を考え、研究活動に結びつける手法について学ぶ。
目標●社会要請、社会が受ける研究成果によって得られる価値、他の研究との差別化、または国際的な標準化に対する位置付け、知財による研究開発の保護などの企業価値と直結する内容について学び、研究活動に活かすことを目的とする。 -
環境土木工学特論
自然環境と調和を図りながら、国内外の社会基盤を効率的に計画?設計?施工し、それらを適切に維持管理することができ、整備効果についても評価することができる総合的な科目である。社会状況の変化を的確に判断し、国民に安全?安心で快適な社会生活を提供するための施策?方法について理解を深める。
目標●博士論文をまとめるための、プロポーザルができる。博士論文をまとめるための、フィージビリティ?スタディができる。
特別科目 科目概要
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リサーチインターンシップ
この科目では、「特殊研究」で行う研究テーマと関連のある研究や技術開発を行っている民間企業(あるいは、公的研究機関)に長期間(3ヶ月~6ヶ月)滞在し、組織の中で実践される研究?開発のプロセスについて理解を深めると共に、一人の研究?開発者としての位置づけと組織に貢献することの意義を理解するために就業体験を行う。派遣先企業(あるいは公的研究機関)は、本学にある研究所や、「特殊研究」の指導教員との共同研究及び受託研究を基盤に、密接に連携している企業(あるいは公的研究機関)などの中から、派遣先の意向も考慮して決められる。
目標●1. 自らの専門研究分野について、最先端の現場で行われている研究?技術開発について理解できる。2. 就業体験において提供された課題を深く理解し、具体的な解決策を立案し、実際に試行することができる。3. 就業体験を基に大学院での残りの期間の研究計画?修学計画を立案できる。