実施体制
Implementation Structure
実施体制とPDCAサイクル
実施体制図
全学的事業推進体制とPDCAサイクル
本事業を推進する科学技術者倫理研究推進委員会を設置する。当委員会は、本事業の中心となる科学技術応用倫理研究所を始めとした、関連する部局が横断的に参画する委員会となる。本事業では、科学技術応用倫理研究所での研究成果をもとに、サイエンスの観点から、本学における数学物理化学の教育を担当している数理工教育研究センターが、科学や工学の発展の歴史的展開を把握し本質を学ぶためのSTEM教材の開発を行う。また、テクノロジーの観点から、本学におけるアクティブラーニング教育の支援を担当しているプロジェクト教育センターが、科学?工学の発展に寄与した実験装置や重要な機器などを、3Dプリンターを用いてモデルとして再現し、そのエッセンスを学ぶ教材の開発を行う。これらのベースとなるのは、本学が所蔵するアーカイブコレクションを用いる事となる。教育の中心となる新しい図書館として設立された、ライブライリーセンターが所蔵する、歴史上重要な科学的発見や技術的発明が最初に発表された初版本を体系的に収集した、稀覯書コレクション「工学の曙文庫」。また近代建築を中心に建築設計書などを保管している、建築アーカイヴス研究所のコレクション、これらをサイエンスとテクノロジーの両分野において教材として利用できる様に、デジタルアーカイブを進める事となる。科学技術応用倫理研究所メンバーが進める研究テーマと、その成果を学内外へ展開する事は、当委員会が中心となって事業を進める。
本事業では、ステイクホルダーを代表する形で外部評価委員を設置する予定である。アカデミックからは、北海道大学応用倫理研究教育センターの研究メンバー、企業からは、一般社団法人経営倫理実践研究センターと地域企業の倫理統括部門のメンバー、また高大接続連携協力校にも外部評価委員を委嘱する予定である。
本学においては、学校法人全体の研究活動の支援?推進を図る「学校法人金沢工業大学研究支援機構運営委員会」と、大学全体の研究に関する運用?管理を統括する「金沢工業大学研究部委員会」、大学の教育研究活動の自己点検?外部評価を確認する「KIT評価向上委員会」がある。これら委員会には、学長と研究担当副学長が参画しており、本事業の計画立案段階から委員会に内容を諮ってきた。実際の事業運用時には、委員会が事業の点検/評価を行う事となるので、事業全体の統括とPDCAサイクルが学長のリーダーシップのもとで進められる事となる。
研究活動のPDCAサイクル
本事業の研究活動の中心は、科学技術応用倫理研究所となる。当研究所は、1997年に設置され20年の間研究活動の実績を重ねてきた。以下に研究所の沿革を示す。
1997年 | 科学技術応用倫理研究所開設 |
---|---|
2004年 | 第三次教育改革カリキュラムにて技術者倫理関係科目を整備 「科学技術者倫理」を3年次必修科目として導入 (他にも関連科目として1~4年生までに7科目を導入) |
2007年 | 文部科学省 特色GP「価値の共有による技術者倫理教育」が採択、~2009年 |
2008年 | 科学技術倫理教育に関する研究会?ワークショップを4回開催 |
2009年 | 「価値の共有による技術者倫理」ワークショップを開催 国際シンポジウム「教育課程全体を通した技術者倫理教育の展望」を開催 |
2012年 | 第5次教育改革カリキュラムにて技術者倫理関係科目体系を再整備 |
2016年 | 「グローバル社会における技術者倫理教育に関する国際コロキアム」開催 科学技術倫理教育に関する研究会を3回開催 |
2017年 | 「第二回グローバル社会における技術者倫理教育に関する国際コロキアム」開催 科学技術倫理教育に関する研究会を1回開催 |
研究所の活動として、特色GP事業をはじめ、学内外へのシンポジウム等の開催も定期的に行われている。
また、科研費についても研究所メンバーが各自1件から数件の採択を受けている。以上の様に活発で計画的な研究活動を進めるとともに、研究所メンバーは、本学一般教養課程である修学基礎教育課程にも属しているので定期的に教育上のFDと研究活動に関する連絡会をもって情報共有を図っている。
当研究所は、金沢工業大学の研究プロジェクトを担う「金沢工業大学研究センター」として設置されている。
研究センターは、研究全体を統括する研究支援機構運営委員会から活動状況の点検?評価を行われることとなっており、研究所としてのPDCAサイクルが確立されている。
ブランディング戦略のPDCAサイクル
本事業の推進のために、「科学技術者倫理研究推進委員会」を設置する予定である。当委員会内では、定期的に事業実施状況に関する連絡会を開催し、委員会としてのPDCAサイクルを実施する事となる。また、当委員会に属するライブラリーセンター、プロジェクト教育センター、数理工教育研究センターは、金沢工業大学の教育支援組織による教育活動の振興と推進を図る「教育支援機構」に属している。教育支援機構では、定期的に教育支援組織の事業に関する連絡会を開催しており、ブランディング事業での活動内容についても連絡会で報告が行われ、教育支援の面からの点検評価も得られることとなる。
学外との連携
本事業においては、学外のステイクホルダーとの連携が予定されている。高大接続において、本学の教育カリキュラムの導入を進めている高大接続連携協力校があり、本学教育カリキュラムの主柱であるPBL型教育「プロジェクトデザイン」の導入が進められている。この中にマイクロインサーションによる科学技術者倫理の導入も進められており、研究所メンバーが支援にあたっている。また、ベトナム等ASEAN諸国の本学提携校でもプロジェクトデザインの導入が進められており、そこでも同様に科学技術者倫理の導入が進められる事となるが、ここについては、グローバルへの展開となるので、文化的差異と普遍的共通点についての研究成果フィードバックを受けながらの展開となる。
次に、北陸地域企業とは、経営倫理と技術倫理の両面からの導入を検討する研究会を研究所メンバーが主体となって設置を進めたいと考えている。また、本学で進める「社会人共学者」制度は、企業?地域住民が正課授業に学ぶ立場で参画する新しい試みである。科学技術者倫理が関連する科目への社会人共学者参画は既に実績もあり、今後とも充実を図りたい。地域住民に対しては、よりカジュアルな勉強会(サイエンステクノロジー?カフェ)の提供も考えている。