第23回講座
ゴットフリート?ライプニッツは何を考え、何を見たか
「極大と極小に関する新しい方法」
- 講師:金沢工業大学 数理基礎教育課程
准教授 山岡 英孝プロフィール京都大学理学部理学科卒(主に物理学を修める)。同大学大学院情報学研究科博士課程(数理工学)修了。同大学大学院情報学研究科研修員、(独)理化学研究所研究員、(有)VCADソリューションズ研究員、京都大学大学院工学研究科産官学連携研究員。2006年~2011年同大学大学院工学研究科民間等共同研究員、2010年~2012年近畿大学理三亚赌场,香港赌场非常勤講師を兼務。2012年本学講師就任。2017年現職。
金沢工業大学ライブラリーセンター所蔵
極大と極小に関する新しい方法
現在のドイツ出身であるライプニッツが、パリに滞在していた1672年から1676年の間に微積分法の基本に到達していたようであるが、今回紹介する論文において、ライプニッツの微分法に対する基本的な成果がまとめられている。関数の和?差?積?商に対する微分演算の基本公式も冒頭に述べており、タイトル通り、微分係数の符号を調べることで関数の極大?極小が調べられること、微分係数が接線の傾きであることが説明されている。
本講座ではこの論文の内容を解説するとともに、ライプニッツが本論文の執筆に至るまでの背景についても紹介したい。ライプニッツは、数学者であるだけでなく法律学者、哲学者としても多くの仕事をしているが、彼自身にとっては、あらゆる学問を統一的に体系化しようという試みの中の当然の結果であった。このような統一的な思想があったからこそ、現代数学に引き継がれる記号や用語をも、ライプニッツが生み出すことができたのであろう。
本論文を通してライプニッツについて学び始めたばかりですが、その壮大な思索の一端を本講座で紹介したいと思います。皆様にも原著を一緒に見て頂き、現代の高校生にとってもその内容が見て取れるほどに洗練されたライプニッツの思考の壮大さを感じて頂ければ幸いです。